うつくしい絵 (かこさとし)

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  • 本棚登録 :75
  • レビュー :11
著者 :
nejidonさん 絵本・通年   読み終わった 

表紙にダ・ヴィンチの「モナリザ」、裏表紙はゴッホの「ひまわり」。
この2作品はもちろん、レーピン、北斎、ピカソの有名な作品が丁寧な解説とともに載っている。
その解説がしみじみと素敵で、かこさとしさんのこの本にかけた思いが伝わってくる。

「絵描きさんは、みな生まれた国が違って、それぞれ変わったくせを持ったひとでした。
しかしみな、美しい心を持ったひとたちでした。
その美しい心を持ったひとだったから、みんが感心する美しい絵を描くことが出来たのです。」

私も少しばかり絵を描くが、こんな風に思ったこともなかった。
これは誰それの何年頃の作品で、何々派に属し、モチーフとなったものは・・なんて、そんな解説ばかりで頭を埋めていた。
絵は、ただゆっくりと眺め、画家さんの心を感じ取ればそれで良いものを。
名画と言われる作品に、美術館ではじめて出会った時の感動をなぜ忘れてしまったのだろう。

庶民の生活とは無縁なところで、近代的と称して動いている画流や近代芸術論とやらに対する、疑問と批判も秘かに込めたかった、と後書きにある。
かこさとしさんの願いが届くように、ゆっくりとページをめくって絵を見せながら読むと、ゆうに15分以上はかかる。
それでもいつか、子どもたちの前で読んでみたい。
美しい絵を見て、絵描きさんの美しい心をくみ取れるようになってほしいから。
そして私も、美しい絵を感じ取れる大人に、なっていこう。

レビュー投稿日
2017年10月30日
読了日
2017年10月22日
本棚登録日
2017年10月30日
18
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『うつくしい絵 (かこさとし)』のレビューへのコメント

くりりんさん (2017年11月4日)

コメントありがとうございます。
私も美術系の学校に通っていたので、とても共感して読ませていただきました。

美しい心、持ってたいですね!

nejidonさん (2017年11月5日)

くりりんさん、こんばんは♪
コメントありがとうございます。
レビューに共感してくださって、とっても嬉しいです!
子供向けの絵本ではあるものの、選び抜かれた言葉と絵で、感動してしまいました。
そしていつの間にか、こんな大人にはなるまいと思っていた大人に、
自分もなっていたことに気が付きました。。
恐るべし、絵本の力、です。

そうそう、初めにお話しておかなければと思ったことがひとつ。
私、小説はあまり読みません。特に現代ものは。
どうかそのことでがっかりされませんように。

夜型読書人さん (2017年11月6日)

nejidonさん、こんにちは。

出版社的にも、記述のやさしさからしても、これは児童に向けた本だと思うのですが、引用文はなかなかどうして心の訴えかけてくるのでしょうか。
小生には、本質的なことはやさしくかけるものだと考えています。
概念や抽象的な言葉は、多くの具体的な事柄に対して向けることが可能なように。

美しい文化に触れて、美しいものを知っていれば、言葉にできなくともこれだと分かる感性が身につくのだと小生は信じています。

スマホが流行り、ネット上のいろいろと厄介な言説に触れてしまうより、ゆっくりと美しい文章や絵を見るようなゆとりがほしいですね。

よいレビューだと思いました。

nejidonさん (2017年11月8日)

読書猫さん、こんにちは♪
素敵なコメント、ありがとうございます!
引用文は、読みやすく漢字に変換してありますが、原文はほとんどひらがななのです。
はい、言われる通り、子供向けの作品です。
でも、子どもだけに読ませるのはとてももったいなくて(?)漢字混じりにしました。
本質的なことは、易しい言葉でしっかり通じるものですね。
中身がとても深いので、うっかりすると見落としそうですが。

そうですね、ゆっくりじっくり、静かに美しいものに触れる時を、子どもたちには
たくさん持ってほしいと願っています。
その前にもちろん、親御さんも、大人も。

図書館で借りていた間、毎日何度も読んでいた本です。
読書猫さんのコメントも、何度も読ませていただきました。
ありがとうございました。

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