銀河鉄道の夜

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本棚登録 : 393
レビュー : 70
著者 :
nejidonさん 絵本・夏   読み終わった 

宮沢賢治の作品が横書きになり、旧かなづかいが無くなって読みやすい。
そこに、藤城清治さんの影絵が見事に共鳴している。
子供の頃、この影絵の世界にどれほど憧れたことだろう。
大人になってもそれは変わることはなく、何度も何度も
繰り返しすべての場面を見つめては、その美しさに
ため息が漏れる。

主人公ジョバンニの抱える孤独と悲しみ、理想へと突き進む無垢な心と憧れ。
それらが銀河鉄道から見える世界の反映となっている。
でも、なぜその鉄道で銀河を旅するのかは、明らかにされていない。
終盤になり、親友カンパネルラの死を知ることで、読み手ははじめてそれとなく察知する。
ああ、あれは「死」への旅だったのか・・
しかもカンパネルラは、日ごろ虐めっ子の側だったザネリのために、命を投げ出したのだ。
ここに、とてつもない意味がある。

夢の旅の中であれほどふたりで「こんな風に生きよう」と
誓い合ったのに、目覚めたらその友は亡くなっている。
そのラストの切なさに、子どもの頃読んだ時は号泣したはずだが、
今再び読むと静かな幸福感に包まれる。
こんな「生涯の宝物のような」旅は、誰にでも出来るものではないからだ。
友情と、生と死、永遠とは何か、幸福とは?
ひたすら高い精神性に、ただもう圧倒される。

奥付を見ると、初版は1982年となっている。
今から34年も前にこの作品は世に出ていたことになる。
何十年経ても変わらない輝きを保ち続けるものが、良書ということなのだろう。

ひとつだけ注意点を。これは原文に藤城清治さんが手を加えている。
原作のエッセンスはもちろん損なわれていないが、
出来れば原文の方もお読みあれ。

レビュー投稿日
2016年7月20日
読了日
2016年7月20日
本棚登録日
2016年7月20日
17
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『銀河鉄道の夜』のレビューへのコメント

けいたんさん (2016年7月22日)

こんにちは(^-^)/

すごいです!
私の頭の中のグチャグチャしたものがスッキリした気がします。
この作品というか宮沢賢治さんの作品は何を意味しているのかわからないことが多くていつも迷います。
それはそれで楽しいのですが(笑)

藤城清治さんの影絵素敵ですよね。
私も何冊か画集を見ました。
でも、藤城清治さんが手を加えているというのが気になります。
いつかこの本を借りて確かめてみたいです。
私は清川あさみさんの絵本で銀河鉄道の夜を読みました。
キラキラして綺麗でした。

絵本は夢があるものがいいですよね〜♪

nejidonさん (2016年7月23日)

けいたんさん、こんばんは♪
コメントありがとうございます。
このレビューで、頭の中でまとまってきたなら良かったです。
私も、後でまた書き換えるかもしれません。
何度も読んで、読むたびに発見があります。
宮沢賢治さんの作品は(特にこれは)奥が深いですよね。

ああ、清川あさみさんですか!!あの方の作品も美しいですね。
まるで映像の世界のようで。
藤城清治さんは、原文を変えてしまっているわけではありませんのでご安心を。
ところどころ省いているところがあり、また分かりやすくしてあるだけです。

はい、私も夢のある作品が大好きです。
「私ってこんな風に書けるのよ!」って辛辣な表現をする作家さんは苦手です。
そういう人って、イジワルな気がします(笑)




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