しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

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本棚登録 : 9960
レビュー : 1561
著者 :
nejidonさん 小説   読み終わった 

なんともふわふわと軽く、さらりと読み終えてしまった。
ふむふむ、こういう時代小説の切り口もあるのねぇ。新しいわ。
シリーズ第一作目らしいけど、人気のただなかにある時は
気恥ずかしくて読めなかったが、少し時を経たことだしと入手してみた。
ということで、自分に自分で読むことを許可した一冊。
2001年度日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
江戸を舞台に、大店の若旦那と、その若旦那を守る妖たちが登場して
殺人事件を解決し、その間に若旦那の出生の秘密やら因縁やらも
出てきて、そこはかとない人情ものにもなっている。
それぞれのキャラクターの書き分けも上手く、事件性そのものよりも
キャラどおしの絡みも読みどころ。

まぁこの若旦那のひ弱っぷりが尋常ではなくて、情けないまでのレベル。
思慮深く謙虚で優しくて、人間的には申し分ないのだが、ここぞという
時に決まらない。
でもそれは、とりまきの者たちも同じこと。
どこかしら欠けた者たちが力を出し合っている。
そして事件の謎と向き合いながら若旦那がじょじょにたくましくなっていくのが
痛快なところ。
最後なんて、ほとんど頼もしくさえ見えてくる。
妖たちと通じる若旦那の才能に、羨望を抱いてしまったり。

残念なことに意外にもテンポが悪く、中盤にかなりもたつく印象。
端正な文章の時代小説ばかり読んできたせいか、「ここはいらないかな」
などとエラそうに減点してしまった箇所もいくつかある。
読みやすいことこの上ないのだが「血沸き肉躍る(古いなぁ・笑)」というわけでもない。

でもこれがきっかけで、時代小説に新たなファンも増えたかもしれないし、
良い方に解釈しておこう。
真夏に、さらりと軽く一冊読みたい方にはおすすめかな。

レビュー投稿日
2015年7月29日
読了日
-
本棚登録日
2015年7月24日
6
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