【14歳の世渡り術シリーズ】の一冊。
「自分だけの音楽」を、著名人26名が語ってくれています。
どの年齢でどの音楽に出会い、どう感じたかなんて個別の体験以外の何者でもないのに、それを薦められるってどうよ、と侮っていると失敗します。
その個別の体験が結構な訴求力を持っていて、読むと面白いのですよ。
あまり知らない著者さんでも、その文章に共感して、その方の作品を読んでみようという気にさえなります。
残念ながらお薦めされた曲を検索してもヒットしないものもあり、よって☆4つです。
以上、ですます体終わり。
男子はBOOWY、女子はREBECCAという頃があって、私もずいぶんLIVEに行きまくった。
(若い人にそれを話すとそもそもREBECCAを誰一人知らない。
でもそれで良いのだと思う。
彼ら・彼女たちの音楽をこちらも知らないのだし、私の心の中では今も
REBECCAは不変なのだから)
そんなわけで、山田ズーニーさんの「骨になれ、音に身投げしろ!」にはとても共感した。
町田康さんには笑わせられた。あの方、パンクロッカーさんだったのね。
高嶋ちさ子さん、辛酸なめ子さん、浦沢直樹さん、音楽とは程遠い印象の角田光代さんもとても良かった。
彼女の文章を読んで、私もブルーハーツが大好きだったことを思い出した。
ああ、もう一度聞いてみようと、真剣にそう思った。
あの頃の自分が少しは持っていた自分自身とこの世への懐疑心や不安感を、おさらいしてみようと。
ファンの多い雨宮処凛さんの推す【PUZZLE】という曲は中原中也の詩に似ていることを発見し、近藤良平さんの推す【チャン・チャン】では「あー!同じ同じ!」と大喜びしてしまい、【毎晩、毎晩、あの曲を求めて、ひたすら待っていた。】という今日マチ子さんの一行には、キュンとやられてしまった。
音楽の好みは人それぞれだし、紹介された音楽が必ずしも読み手の心に響くわけではない。
それでも、好きな音楽に向かい合うときの気持ちには誰しも深く頷けるのではないだろうか。
- 感想投稿日 : 2013年7月19日
- 読了日 : 2013年7月19日
- 本棚登録日 : 2013年7月19日
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