伊坂幸太郎氏の著作では3作目。
私の伊坂作品としては4冊目です。
つくづく外れの無い作家さんですね。
読者を裏切らないということは、本人の学習量の多さと筆力によるところが大きいでしょう。
「陽気なギャングが地球を回す」というタイトル通り、ギャングたちが主役です。
もちろんギャングなんて絶対にいけないことのはずなのに、読み進むのが楽しくてたまらないのです。
キビキビと無駄のない、テンポの良い運び。粋な会話の連続。
個性豊かなキャラクターたち。痛快なコメディのはずが、例によって知的好奇心をくすぐられっぱなしです。
主人公は4人。他人の嘘を直感的に見抜くことが出来る成瀬。
正確な体内時計と超人的ドライブテクニックを持つ響子。
スリの名人の大学生・久遠。
演説の達人・響野。
何とも「微妙」な才能を持った彼らが偶然居合わせた銀行でマヌケな強盗に遭遇します。
「俺たちだったらもっと上手くやれる」とチームを組み、奇想天外な手口で大金を奪うのですが・・・
う~ん、もっと紹介したいけどやめておきます。
作品の面白さをこの文章で損なってしまいそうで心配。
絶妙なストーリーのユルさとスタイリッシュさが見事に同居した珍しい本です。
映画化したら面白いだろうなと思っていたら、私が思う程度のことは誰でも思うという証明が出来ました。
とっくに映画が完成していて、今月13日に公開されるそうです。
故松田優作さんの次男が、大学生・久遠の役で映画デビューだそうで、それも楽しみですね。
日本版「オーシャンズ11」のようになるでしょうか?
- 感想投稿日 : 2010年2月20日
- 読了日 : 2006年5月6日
- 本棚登録日 : 2006年5月6日
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