翻訳できない世界のことば

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本棚登録 : 2366
レビュー : 245
制作 : 前田 まゆみ 
nejidonさん ノンフィクション   読み終わった 

読んでいてとても楽しい、魅力的な本。
イラストレーターでもある著者が若い女性のせいか、どちらかと言うと
情感豊かな言葉に偏った気もするが、それでも楽しい。
翻訳できない言葉の奥に、その国の歴史や文化が垣間見えてくるし、
その言葉を使う人々の暮らしに想像を巡らすという楽しみもある。
その上、手描きの文字とイラストが暖色系で可愛らしい。
イヌイットの棲み処である「イグルー」も、この著者の手にかかると妙に可愛い。

日本語からは【木漏れ日】【ボケっと】【侘び寂び】【積読】がチョイスされ、
その説明には舌を巻いた。
いやぁ、侘び寂びをこんな風に解釈したことがなかったな。
【生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見出すこと】
ですと。・・しかも、読むとそんな気になってくるし・(笑)

ブラジルには【愛する人の髪にそっと指を通すしぐさ】を名付ける【カフネ】と
いう名詞があるという。なんと官能的な!ああ、クラクラしてくる。
アルコール好きな国民が目に浮かぶ、【ウィスキーを一口飲む前に、上唇に感じる
妙なムズムズする感じ】を表す【スグリーブ】というゲール語もあるのが笑える。
同じく笑ったものは、マレー語の【ピサンサブラ】。
これは、バナナを食べる時の所要時間であるらしい。大体2分だと言う。
アラビア語の【グルファ】は【片方の手のひらに乗せられるだけの水の量】だと
言うから、灼熱の地でその貴重な水で喉を潤す人が見えてきそうだ。

傍らに置いてつれづれにページを開き、開いたところを読んで何度も楽しめる。
イラストの日本語の文字に誤字が多いのが玉にキズ。
言葉を扱った本なのだから、もう少し丁寧な編集が欲しかった。。

それでも素敵な一冊だから、友人の誕生日プレゼントにしようかと考え中だ。
最初と最後に寄せられた著者からのメッセージも、慎ましくてとても素敵。

レビュー投稿日
2017年5月14日
読了日
-
本棚登録日
2017年5月14日
19
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『翻訳できない世界のことば』のレビューへのコメント

けいたんさん (2017年5月16日)

こんばんは(^-^)/

素敵な表紙ですよね〜♪
読みたいと思っていました。
ちょっと難しいのかなと思っています。
友達にプレゼントしたくなるほどなんですね。
それは素敵だなぁ。

nejidonさん (2017年5月18日)

けいたんさん、こんにちは(^^♪
コメントありがとうございます!

そうなのです、表紙も素敵なのですが中身も素敵なのですよ。
難しさは感じません。そこはご安心くださいませ。
ストーリーはないので、開いた場所から読んで楽しめます。
著者による説明文がとても詩的です。翻訳が良いのかな。
イラストも可愛いですよ。その意味では女性向けかもしれませんね。
ぜひぜひけいたんさんにもおすすめです!

アセロラさん (2017年5月21日)

こんにちは♪
「積読」がどう表現されているのかが気になります(笑)同じような事をしている読書家は古今東西いると思うのですが(笑)

「ピサンサブラ」はバナナを食べる時の所要時間!
こういう概念はネイティブじゃないと難しいでしょうね~。
でも、だからこそ、興味深い。
日本で言うと、カップラーメンの出来上がる時間やウルトラマンが地球にいられる時間=3分。というところでしょうか。
こういう常識も、別に学校で習った訳では無いのに、気が付けば普通に常識として備わっていて、たいていの人とは話が通じるのですから不思議ですね。

nejidonさん (2017年5月23日)

アセロラさん、こんにちは♪ コメントありがとうございます!
たくさんのお気に入りをくださって、ご近所でしたらお礼に何か差し上げたいくらいです(笑)

「積読」という言葉のチョイスが意外で楽しいですよね。
日本以外には無いということも面白さ倍増です。
『買ってきた本を、他のまだ読んでいない本と一緒に読まずに積んでおくこと」だそうです。
そうそう、こういうこと世界中の本好きさんがやっていそうです!
「ピサンサブラ」もそうですが、その国の暮らしぶりが見えて来そうで、そこが楽しいのです。
果たして「積読」で、他国のひとたちはどんな日本を想像したことやら、です。
もともとはネット記事だったものが大人気となり、書籍化されたそうですよ。
世界中に素敵な言葉がたくさんあり、それを味わうことが出来る一冊です。
機会がありましたら、ぜひアセロラさんも手に取ってみてくださいませ。

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