何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉1 (ちくまプリマー新書)

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本棚登録 : 559
レビュー : 42
制作 : 桐光学園  ちくまプリマー新書編集部 
nejidonさん エッセイ 評論   読み終わった 

7人の学びの達人たちが語るため、こちらも襟を正して読んでみた。
ちくまプリマー新書の「中学生からの大学講義」という新書シリーズの第一巻。
中学生に対して「学び」について語るという企画がとても魅力的だ。
もちろん学校を離れた大人にとっても大変な良書。
ここに全文抜き書きしたいくらいだがさすがに無理なので、気になった箇所だけ載せてみる。

①外山滋比古さん「知ること 考えること」
 知識量と思考力はたいてい反比例する。覚えることと考えることは別である。
②前田英樹さん「独学する心」
 愛読書と尊敬する人を持つ。生涯愛読して悔いのない本を持ち、生涯尊敬して悔いのない古人を心に持つ。
③今福龍太さん「学問の殻を破る」
 分かりやすいことには気を付ける。分かりにくいことの方がはるかに面白い。
④茂木健一郎さん「脳の上手な使い方」
 自分に無理めの課題を設定してみる。クリアした時にドーパミンが良く出る。
⑤本川達雄さん「生物学を学ぶ意味」
 職業を選ぶ際は『好きなことをする』のではなく『世の中で大切なことをする』と考えた方が良い。
⑥小林康夫さん「学ぶことの根拠」
 学ぶとは自分をつくり替えること。一時の行いではない。
⑦鷲田清一さん「賢くあるということ」
 簡単な思考法に逃げず、じぐざぐに色々な補助線を立てて誠実に考え続けること。

前後の脈絡もなく一行だけ切り取って何が分かるのかとお叱りの向きもあるだろうが、そこはどうかご理解を。長すぎないように、これでも細心の注意をはらっておりまする。
学びの達人たちなので「何のために」という根源的な部分よりも「どう学ぶか」に話が反れそうな危惧は多少あったが、まぁ当たらずと言えども遠からずだ。
その中にあって⑥の小林康夫さんと⑦の鷲田清一さんの文章は、胸が震えるほどの感動だった。
何故学ぶのかを考えることは、何故生きるのかとほぼ同義語なのだと再認識させられた。
中学生の頃にこの書に出会っても、ここまで心を動かされなかったかもしれない。
たぶん私にとっては今が出会いの時期だったのだろう。
繰り返し読みたい良書。
それぞれの最後に『若い人たちへの読書案内』として3冊ずつ挙げられている。

レビュー投稿日
2019年8月12日
読了日
2019年8月11日
本棚登録日
2019年8月12日
19
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『何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉1 (ちくまプリマー新書)』のレビューへのコメント

だいさん (2019年9月16日)

若い人たちへの読書案内

なかなか

nejidonさん (2019年9月18日)

だいさん、こちらにもコメントをいただいてありがとうございます!
はい、若い人向けではありますが、レヴェルが高いのですよ。
若い日に読んで、その後も何度も読み返して味わうのが良いのかもしれません。
良い本というのはそういうもの。
「心のセンサー」も段々磨かれてきますし・笑
これはだいさんにもお勧めです!

だいさん (2019年9月19日)

シリーズがは5冊読みました
読書案内の本も 半分くらいでにとりましたが どれも良書ですよね

nejidonさん (2019年9月19日)

だいさん、こちらにもコメントをありがとうございます。
おお、シリーズ5冊読まれたとは、それは失礼しました。
私もそうしたいのですが、こちらの図書館は新書ものをなかなか入れません。
悩ましいところです。
そのうち何とか入手して、読んでみたいものです。

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