賢者のおくりもの

4.26
  • (39)
  • (14)
  • (18)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 269
レビュー : 31
nejidonさん 絵本・冬   読み終わった 

クリスマス絵本の三冊目。
有名なオー・ヘンリーのお話に、こちらも美しい挿絵で有名なリスベート・ツヴェルガーが絵を添えたもの。縦長の装丁で、クリスマスの贈りものにまつわる話。

ツヴェルガーの絵としては比較的初期のもので、現在のような鮮やかな色彩や大胆なデフォルメもなく、物足りなく感じられるかもしれない。
でも眺めていると、そのクラシックな味わいがお話ととても良くマッチしている。
優しく思慮深そうな様子の夫・ジムと、繊細で美しい妻・デラの夫婦。
ベッドで悲しみにくれているデラの姿や、髪を切ったあとの襟足を気にするしぐさ、帰宅したジムと抱き合うドア越しの場面や、家具や小道具の描写など、淡く優しい色合いに女性らしさがあふれていてとても慎ましく上品。

表紙になっているのは、自慢の髪をジムへの贈りもののためにカットするところ。
換金できるものはこの髪の毛だけだったというのが、とても切ない。
ジムはというと、こちらもやはり自慢のものは鎖の取れた懐中時計だけ。
お互いがお互いの一番大切なものを売り、相手のために一番喜んでくれそうなものを手に入れた結果は・・

文章はお洒落で小気味よく、最初の1行から最後の1行まで気が利いている。
大人向けの絵本としてプレゼントにも良いかもしれない。
相手のために贈り物を選ぶ時の、胸が弾むような嬉しさがちゃんと描いてあるところがとても好き。
贈りもので一番幸せなのは、相手の喜ぶ顔を想像しながらあれこれ迷って選ぶ時。
若く貧しい夫婦は、相手にとって最高のサンタクロースになったということだ。
妻のデラは、作者であるオー・ヘンリーの奥様がモデルだったというのも何だか素敵。
賢者にはなれなくとも、誰かのサンタクロースにはなれそうな気がしてくる。
では、タイトルになっている「賢者」とは誰のこと?もう分かりますよね。

レビュー投稿日
2017年12月4日
読了日
2017年12月2日
本棚登録日
2017年12月4日
20
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『賢者のおくりもの』のレビューをもっとみる

『賢者のおくりもの』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする