おじいちゃんのごくらくごくらく (ひまわりえほんシリーズ)

4.12
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本棚登録 : 371
レビュー : 58
著者 :
nejidonさん 絵本・秋   読み終わった 

肉親への愛と別れとを描いた、幼児絵本の秀作。
ラストから二枚目の、お母さんに抱きついて泣いている場面では、ほとんどもらい泣きである。
何度読み返してもそれは同じで、タイトルになっている「ごくらく」の意味が、読後しみじみと心に押し寄せてくる。

男の子とおじいちゃんて、ちょっと特別な間柄。
寛大で、一緒に遊んでくれて、色々なことを教えてくれて。
この本に登場する「ゆうた」と、おじいちゃんもそう。
前半は、どんなにおじいちゃんが好きか、どんなにふたりの絆が深いか、小さなエピソードを積み重ねてある。

だが、中盤でおじいちゃんの表情が変わる。
ゆうたと一緒にお風呂に入るときの「ごくらくごくらく」という満面の笑みはもう見られない。
大人の読み手なら、辛いラストを予想してしまうところ。
そして、その予想どおりの展開になっていく。

おじいちゃんが亡くなったことを「ほとけさまのくにへ いってしまいました」と表現する、その優しさには涙・涙である。
たくさん愛されたその思い出が、宝物となって今の自分を支え、守ってくれる。
だからゆうたは「ごくらくごくらく」と言うと、悲しいだけでなく幸せな気持ちになれるのだ。
別れは人生につきもので、いつだって辛く悲しいもの。
だが絆が深い分だけ、たくさんのものを残してくれたことに後々気が付くのだ。
それを、こんなふうに身をもって教えてくれるお年寄りは、本当に貴重な存在だ。
後年、ゆうたは「ごくらく」という言葉の意味を知って、また更に幸せに生きて行くことだろう。そんな気がする。
こんな合言葉がもっともっとたくさんあったら、世界中の子どもたちが豊かな気持ちになれるのかもしれない。

この絵本を読んで、祖父母と同居している子は、もっとおじいちゃんと話したいなと思うだろうし、離れて暮らしている子は、おじいちゃんに会いたいなと思うのかもしれない。
そうだといいなぁ。そうであってほしいなぁ。
私も、読むたびに父を思い出し、そして泣いた。
約8分。幼児から大人まで。

レビュー投稿日
2015年9月15日
読了日
-
本棚登録日
2015年9月10日
7
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