こすずめのぼうけん (こどものとも傑作集)

  • 福音館書店 (1977年4月1日発売)
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本棚登録 : 1269
感想 : 100
5

素話にもあるけれど、絵本の方も良く出来ている。
飛び方を教わって飛んでみたら、思いがけず上手く飛べたので、
そのまま冒険に出てしまうこすずめ。
でもすぐに疲れてしまって、休める場所を探し出す。
ところが、同じすずめの仲間に出会えなくてなかなか休めない。
新しい巣を見つけるたびに交渉するこすずめが、なんだか哀れになってくる。
だんだん心配になってきて、聞いていて心細くなる展開だ。
最後にちゃんとお母さんに出会えて、おんぶまでしてもらって帰れる。
さんざん遊んだ後でもやさしくおんぶしてもらえるなんて、親子っていいなぁ。
親は、子どもに永遠に片思いなのだね。人間もすずめも。
石井桃子さんの日本語訳は、流れるように綺麗で分かりやすい。
絵本のテキストが素話にも向くなんて、とても珍しいこと。
音読でも不自然さがないように研究しつくされているのだ。
約8分。幼児から。
こすずめと会えた時のお母さんの声が怖くならないように、
優しく微笑みながら読んでね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本・春
感想投稿日 : 2012年2月26日
読了日 : 2012年2月26日
本棚登録日 : 2012年2月21日

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