あまりに面白いので、このまま鬼フェチになりそうだ。
前述した図鑑と違い絵本だが、中学年くらいからなら楽しんで読めるだろうか。
どちらかと言うと大人向けの絵本。
30ページとは言えその内容は濃く、著者さんが様々な美術館・博物館・民芸館・図書館やお寺などを巡って取材した賜物のような作品だ。
丑寅の方角(北東)を「鬼門」というが、それは「丑」と「寅」の顔を重ねると鬼の顔になるからだと、教わったことがある。
たったそのひとつで、ちょっと知った気になっていた自分が本当に恥ずかしい。
何せ知らないことの、オンパレードである。
【子とろ 子とろ】遊びのもとは何か、風神・雷神の意味と七夕にも登場する鬼の存在、「おに」という言葉のそもそもの意味や、時には私たちを見守り救ってくれる鬼のことまで。
また、世界の中ではどんな風に鬼が描かれているかが載っている。
それぞれの土地の祭りに登場する鬼たちは、どんな役割を負っているのか、正しい理解の仕方がうながされると言う流れだ。
見開きの「鬼のつくり方」が、イラストであるという以外は、載せられた資料は現存する絵巻や屏風絵である。
子供によっては迫力のあまり恐怖を感じてしまうかもしれない。
でもこの本の狙いはもちろんそこではない。
終盤の京都・八坂神社の節分の鬼たちなどは、ほとんど神々しくさえ見えてくる。
もっと研究を重ねれば私も、いつか、それなりの鬼になれるのだろうか(笑)
「たくさんのふしぎ傑作集」の一冊。まさにたくさんの不思議があった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
絵本・通年
- 感想投稿日 : 2013年7月9日
- 読了日 : 2013年7月9日
- 本棚登録日 : 2013年7月9日
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