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恋とか愛とかやさしさなら
- 一穂ミチ
- 小学館 / 2024年10月30日発売
- 本 / 本
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一気読み。
面白かった〜。
大企業でしゅっとしていて感性もあって何より自分のことを愛してくれている啓久。
プロポーズされもちろん答えはYes。
翌日、盗撮で逮捕の電話で起こされるって。衝撃的すぎる。
私はこの新夏の感情とまったく同じだった。
何かの間違いであって欲しいと願い、でも実際は盗撮してた、ホームに並んだ前の高校生にすらっとした姿に出来ごころで。
もう、私だったら一発アウトかな。
初犯で示談になって会社にもばれないから大げさに考えないでねなんて息子可愛さでいう母親も嫌だし。
最初は懐柔しようとしている啓久の両親よりも、今ならまだ引き返せるからねと言ってくれる義姉の真帆子の存在が心強かったりしたけど、読み進むうちにこの義姉も相当病んでいて、不倫や浮気を絶対悪としてSNSに過激なコメントを送り続けるような人だった。
新夏目線の前半と啓久目線の後半と2篇からなる構成も面白かった。
盗撮した被害者の女の子も登場して話しは広がっていく。
この莉子って子も相当病んでる。後ろ姿は最高だけど、前、つまり顔はごつくて10人並以下のよう。
いろいろつらいめにあってきたいきさつもあり。(継父との関係もYoutubeで顔は映さず足や太もも男目線で撮られ登録者数が爆上がりしたとか)
そして1度してしまった罪はその後どんなにまじめに生きてもついてまわることなんだね。
こんな常識的で好青年の啓久がなんであんなことをってこの後半読んでも思ったよ。
でも自助グループの瀬川さんだっけ?あの人もまた再犯(痴漢)して捕まったでしょ。啓久がもしないって保証はないんだよね。
1度でもしたら、どんなに謝られてももう一緒にはなれないな。
自分が新夏の立場だったら…ってすごく感情移入しながら読んだ小説だった。
2025年4月20日
2025年4月18日
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アムステルダム (字幕版)
- David O. Russell
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- 本 / その他
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映画館で観ても良かったレベル。
評価はまちまちだけど(とっちらかってるとか)私は面白く視聴。
史実に基づいてるというから驚く。
この将軍(ロバート・デニーロ)が間違った思想の持ち主だったらアメリカもファシズム化していたんだろうか。
歴史にタラレバはないというけれど。
医師(傷痍軍人を主に診てる クリスチャン・ベール)
と弁護士(ジョン・デヴィッド・ワシントン)と戦地で看護師をしていた(マーゴット・ロビー)第一次世界大戦中に出会い3人の絆がアメリカ軍将軍の殺害事件&陰謀に巻き込まれていくさまを豪華なキャストと舞台設定で飽きずに観られた。
ラミ・マレック最初はいい奴と思ったけど5人組会だったかなの一派だったとは。
クリスチャン・ベールが戦争で失った右眼が取り出したりまた入れたりするシーンがよくでてくるんだけど、衝撃で落ちたりとかね。眼の色をヘーゼルグリーンとか言ってたような。素敵やんとおもってしまった。
最後のエンドロールで実際の将軍の演説シーンが流れたのも良かった。
タイトルは3人が夢のように楽しく暮したのがアムステルダムだったから?
Amsterdam 2022年 134分 米 WOWOW
監督 : デヴィッド・O・ラッセル
出演 : クリスチャン・ベール マーゴット・ロビー ジョン・デヴィッド・ワシントン クリス・ロック
歴史を変えた陰謀の”裏側”…ありえないけどほぼ実話
2025年4月10日
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幸せって何だろう Anthology Essay (JAF Mate Books)
- JAFメディアワークス
- JAFメディアワークス / 2025年1月15日発売
- 本 / 本
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2025年4月22日
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クリーピー 偽りの隣人[DVD]
- 黒沢清
- 松竹 / -
- 本 / 映画
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めっちゃ評価が低い映画ってことはわかって視聴。
今はもう見ることのできない竹内結子、香川照之が出演、そして好きなにしじが主演とくればね。
最後までどうにか頑張って見た。
うーん、香川照之が怖かった。怪演してた。
こんな隣人がいたら速攻引っ越しだね。
サイコパスな役が上手いわ。
あの娘として生活してた(藤野涼子)監禁されているわけでもないのになんで警察に訴えないんだろ。
マインドコントロール?でも隣人のにしじには、お父さんになりすましてるけど他人ですって言ってたし…。
竹内結子もすごい感じ悪い人って言っていながら、シチューがたくさんできたのでって持っていくし、謎な点が多かったわ。
2016年 130分 松竹
監督 : 黒沢清
出演 : 西島秀俊 竹内結子 川口春奈 東出昌大 香川照之 藤野涼子 戸田昌宏 馬場徹 最所美咲 池田道枝 佐藤直子 笹野高史
2025年3月26日
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骨が折れた日々 どくだみちゃんとふしばな 11 (幻冬舎文庫)
- 吉本ばなな
- 幻冬舎 / 2024年11月8日発売
- 本 / 本
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足の骨折は辛そう。
丁度コロナ禍だったみたいで、出歩くこともなかったようだけど、それでもねいちいち足は使うものね。
で飼っている犬がいつも著者の骨折した足にいつも寄り添っているのが微笑ましい。(写真)
ところどころに著者に人間観察が垣間見えて(垣間読めて)
なるほどなぁと思ったりそっかぁそう考えるんだと思ったり。エッセイはそこが魅力だね。
2025年3月29日
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これが最後の仕事になる
- 講談社
- 講談社 / 2024年8月7日発売
- 本 / 本
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「これが最後の仕事になる」の書き出しが一緒の24人からなる短編小説集。
面白い試み。知ってる作家では’岸田奈美、米澤穂信、一穂ミチが名を連ねる。
金子玲介の不妊が原因で仲は良いのに別れてしまう夫婦の「まだ間に合うよ」と
麻見和史の訪問ヘルパーが実は泥棒だったという「あの人は誰」が意外に面白かった。
2025年4月4日
なにもかもがめっちゃ美味しそう。
食材はもちろん、一流のものを取り寄せているんだろうけど、盛り付けといいまるでプロの料理人&写真家。
カラー写真もふんだんに使ってぶ厚めの本。
そりゃ、3300円するわな。
食器類の器もみなセンスがあっていい感じのばかり。
眼福な本でした。
2025年4月8日
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本日、東京ラプソディ
- 中野翠
- 毎日新聞出版 / 2024年12月16日発売
- 本 / 本
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1年1度のお楽しみ♪(毎年書いてる)
読む終わるにがもったいなくでも、すぐ読めちゃう。
日記を書き始めたそうだけど、銀色さんにように出版してくれないかな。
今回は映画の話しが盛り沢山、また観たい映画が増えたぁ。
著者もNHKの「映像の世紀バタフライエフェクト」観てるのね。
下手な映画よりもよっぽど面白いしね。
区からくる検診も捨ててると!すごい!
いつまでも健康で書き続けてほしいから受診してほしいわ。
2025年4月3日
オチ意外は面白くワクワクしながら一体誰が犯人なのか、読み進めた。
最初から五代のバディ、山尾は不気味な存在感で怪しかったし、警察署内でタブレットの電源が切られていたとなった時はやっぱり山尾が犯人かとも思ったけど…
政治家の夫と藤堂と元女優の江利子夫人の無理心中と見せかけた殺人放火事件。
山尾と江利子は高校が同じの同級生、山尾の親友で自殺した永間も登場。この夫は高校生時代の恩師。(山岳部の顧問)
なんか興味深い内容で一体結末は…
で全然予想外の百貨店の外商の今西美咲だった。
この人、江利子がたった一度関係をもった山尾との間にできた江利子の娘で、育てられないから児童施設で育った過去あり。
で江利子の一人娘の香織に嫉妬していきなりネームストラップで首を締めて殺したというお粗末な結果だった。
帰宅した夫、藤堂がその有り様を見て風呂場で自殺した体を装い、自分も自殺し火を付けたということ。
架空犯?それも娘が選挙に出た場合、隠し子うんぬんより
殺害されてたほうが同情票が集まるとか…
この今西美咲ってもうベテラン風だったからてっきり江利子と同い年くらいかと思ってた。
江利子の人柄も高校時代の尻軽さと結婚してからの人格とでは別人のようで違和感。
山尾は自分の娘の美咲に捜査の手がいかないように自らが怪しまれるように仕組んでたってこと。
山尾のスマホに今西美咲が幼いの頃の写真が消してなくてそっから五代が、あと児童施設に貼ってあった写真の指に江利子からのビーズ刺繍の指輪が決め手になったんだけど、なんか推理としては面白いんだけど、殺害の理由がそこ?って感じなんだよなぁ。
まぁ、面白く読めたかたいいか。
2025年3月25日
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たまごだいすき (中公文庫 ち8-21)
- 中央公論新社
- 中央公論新社 / 2025年1月22日発売
- 本 / 本
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たまごにまつわる思い出のあれこれを著名な作家たちのエッセイを集めた本。最近、この手の本が多いね。
気軽に読めるからつい借りちゃう。(図書館でね)
印象に残ったのは、角田光代の卵焼きサンドの3部作、私もも京都の卵焼きサンドめっちゃ食べたくなったよ。
神楽坂のラカグ、今度行ってみよう。
向田邦子の「ゆでたまご」は言わずもがな。
色川武大のたまご売りのおっちゃんの話し、たまごシール(あの上に付いてるちっちゃいシール)を集めている人がいたことの驚き(ひらいめぐみ)
江國香織の「フライパン問題と目玉焼き」もめっちゃ共感しながら読んだ。
2025年4月4日
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落下の解剖学 [DVD]
- ジュスティーヌ・トリエ
- ギャガ / 2024年9月4日発売
- 本 / 映画
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私の好きな法廷もの。
雪深い山荘で起きた夫の死。転落死か自殺かけんかが耐えなかった妻による殺人か。
見応えあったわ。
裁判が進むにつれ妻が夫のアイデア盗み書いた小説がベストセラーになっていたり、腕のアザはテーブルにぶつけたのではなく夫と喧嘩して暴力を妻のほうがふるった時にできたものだとか、次々明らかになって妻が殺人犯かと思いきや、
犬の吐いたゲロの件とか、視覚障害のある息子に車の中で
’人はいつか死ぬ、でも強く生きるんだ”的なまるで遺言みたいなことを言っていたので、どうやら自殺の線が濃厚のような終わり方だった。
でもあの妻があそこまで追いつめたんじゃねっとも思ったわ。
いつもは字幕派なんだけど今回は吹替えで視聴。
もう読むのが疲れちゃて。吹替えのなかなかいいね。
2023年 152分 仏 WOWOWからの招待状 吹替え
監督: ジュスティーヌ・トリエ
出演 : ザンドラ・ヒュラー
これは事故か、自殺か、殺人かー
2025年3月18日
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皇后は闘うことにした
- 林真理子
- 文藝春秋 / 2024年12月6日発売
- 本 / 本
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皇室関係のことを描かせたらおそらく著者の右に出るものはいないだろう。
いろいろな皇族の姫宮たちの奮闘ぶりが描かれているけど、
私の中では美智子皇太后が一番、ご苦労されてありとあらゆることから闘ってきたのだろうなと推測される。
著者がいつか描いてくれないだろうか。
今回の短編の中では梨本宮伊都子の逸話は面白い。
とても美人で聡明であったらしい、そのご令嬢方子さまが朝鮮の李王朝に嫁いで波乱の人生を送ったご尊母。
方子様は昭和天皇のお后候補でもあったという。
2025年3月20日
実話に基づく物語。
何年か前、朝日新聞のその記事を読んだ時の衝撃を覚えてる。割と小さな記事だったけどこんな理不尽なことがあるなんてと胸が傷んだ記憶がある。
監督もきっとその記事が心にひっかかっていたんだろうね。
やっと薬もやめて生きようとしていたのに、コロナ禍も重なり誰にも助けを求められず、自死を選ぶとは…。
断罪すべきはあの毒母、12歳から娘に売春(売りって言ってた)させ、お客から薬を打たれ小4で学校も行かなくなり
転落人生を歩くことに。
刑事のタタラとジャーナリストの吾郎ちゃんの3人でラーメン食べてる時が一番幸せそうだったよ。
映画ではタタラも猥褻行為で逮捕されることに、あんまりの展開だった。
”売り”はやめろって言って親身になって親から引き離してくてたタタラがそんなことするかなと思って
でも、あんが追いつめられていくようにするにはそういう
展開しなければならなかったんだろうけど。
きのう、日本アカデミー賞で河合優実が見事、主演女優賞
を受賞したね。
そのスピーチでこの役はこれからもずっと心の中にあるみたいなことを言ってた。
できれば助演女優賞をあの鬼毒母親役をやりきった河井青葉にあげて欲しかったわ。(ノミネートもされてなかったけど)
2024年 113分 キノフィルム サンシティ
監督 : 入江悠
出演 : 河合優実 佐藤二朗 稲垣吾郎 河井青葉 広岡由里子 早見あかり
2025年3月14日
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父のビスコ (小学館文庫)
- 平松洋子
- 小学館 / 2024年12月6日発売
- 本 / 本
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しみじみといいエッセイだった。
著者のバッググランドが少しわかったようなファミリーヒストリーの要素のある名著。
著者がなんとなく向田邦子の匂いを感じるのは、感性とやっぱ昭和をガッツリ生きた時代背景もあるのかな。
サクマの缶入りドロップス。懐かしすぎる。
ハッカでるとがっかりしてね、また戻しちゃったりして^^;
粉末のみかんジュースもあったなぁ。なかなか溶けなくてね。
お父さんが最期に自分の意志で食べたのがビスコ。
いろいろ聞きたいことをもっと聞いておけばと著者は言うけれど、最期の最期にお父さんの願いを叶えてあげたのだから、ほんとに幸せなことだと思う。
あの赤い箱、ビスコを見るたびに思い出すね、きっと。
2025年4月10日
宮本輝の小説で初めてリタイヤ。
なかなか物語に入っていけなくて悔しい。
これ以外のも読みたい本ががありすぎてひとまず休止。
きっと波に乗れば面白くなるんだろうけど…。
うーん、さすがノーラン、時系列が。
モノクロームとカラーが混在して進んでいく。
一回観ただけじゃ100%は理解できない。
オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィって本人に似ていなくもない。ふたりとも線が細い感じ。
ストローズ役のロバート・ダウニー・Jrはアカデミー賞で失態をみせた通りの嫉妬心と名声に固執する嫌な奴だった。
本人と重なってやな奴に見えてしまったよ。
あの原爆の実験で成功して拍手しあって喜びあうシーンは被爆した国のわたしたちには残酷なシーンだった。
毒入り林檎はすんでのとこで止められたのに、原爆は止められなかった悲劇。
てか止めようともしてなかったね。この威力を世界に知らしめたかったんだろうし、戦争集結という大義名分もあった。
その後、多くのの一般市民を巻き込んだ犠牲者が増えていくにつれて幻影に悩まされるというとこがオッペンハイマーの良心として描かれているのだろうか…。
冒頭のアインシュタインとの会話がシーンがラストに繋がっていく構成は良かった。ここで会話の内容がちょっとミステリーぽくひっぱっていたので。
以下、箇条書き。
・レミーマレック、グッジョブだったわ。ストローズの聴聞会で。
・マット・デイモン、いい感じに年をとっていた。
・”シーツをしまって”
・ジーンがなんで自殺したのかいまいちわからなかった。
オッペンハイマーが他の女性と結婚して離れていってしまったから?
Oppenheimer 2023分 180分 TOHOシネマズ
2024年4月24日
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近くも 遠くも ゆるり旅
- 益田ミリ
- 幻冬舎 / 2024年11月20日発売
- 本 / 本
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さっくり読めてほっこりする。
お金持ちなんだろうけど(売れっ子だもんね)庶民目線が嬉しい。
近くは新宿御苑やディズニーシーから遠くはスイスやワルシャワまで感性豊かな著者なりの表現でわかりやすく旅の行程や感想が記されている。
食レポも楽しい。
ひとり旅のようにみえるけど多分、”うちの彼”も同行しているんだろうね。
2025年3月2日
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別れを告げない (エクス・リブリス)
- ハン・ガン
- 白水社 / 2024年4月2日発売
- 本 / 本
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最後まで読めずリタイア。
独特の静かな淡々とした文章。
作家のキョンㇵとその友達のカメラマンのインソン。
インソンが工具で指2本を切断したあたりから物語が動き出す。
3分に一回、看護人が針で突かないと神経が戻らないとかで悶絶の痛さを何日も続けるという。
その間にキョンハは済州島のインソンの家に行って鳥にエサを与えてほしいと頼まれる、そうしなければ鳥が死んでしまうと。
極寒に雪の中、バスも運行できなくなるかもしてないのに
うろ覚えにインソンの家に向かうキョンハ。
その間にインソンの母親が9歳だった頃に起きた済州島事件の記憶に触れていく。
小学校の校庭に並べらてた遺体。その顔に雪が積もっていく様を詩的ともいえる静かな文がなんともいえず胸に迫った。
2025年3月14日
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星屑 (幻冬舎文庫)
- 村山由佳
- 幻冬舎 / 2025年1月9日発売
- 本 / 本
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最後まで面白く読了。
あの性格悪くミチルにつっかかってばかりいる真由が最後の方はその意地っ張りさゆえのミチルに対してのはなむけの言葉が刺さったよ。
今までの反動か、めっちゃいい子で可愛く思えたよ。
芸能の中の歌謡界の世界がちょっと垣間見られて興味深かった。
ひとりの歌手を売り出すにはほんと大変な予算と労力が不可欠で中でもMGの手腕、熱意、そしてまずその歌声に心底惚れてないとできないもんだね。
その意味では桐絵はまさにMGの鏡だね。
ミチルも桐絵なしではここまでこれなかったろうし、桐絵に報いたいって思いで頑張ってきたとこもあったしね。
なんか作家と編集者の関係にちょっと似てるね。
途中、道半ばで桐絵が重い病気で死んじゃうのかと思ったけどただの胃潰瘍で良かったよ。
そして男社会で肩を並べて仕事する大変さもしみじみ痛感したよ。
なにかと邪魔してきてた先輩の〇〇もそこまで嫌な奴じゃなくて良かった。
最後まで真由とミチル(異母姉妹)の出生の秘密は明かされなかったけどそれで良かった。
読後感は爽やか。
2025年3月9日