運命はすべて、なるようになる(下) (Holly NOVELS)

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本棚登録 : 123
レビュー : 6
ゆにしまさん BL   読み終わった 

中学生の時に間違えて買って、
初めて読んだこの手のジャンルの作者さんだと途中で気づいた。

10歳で売られて、
香港マフィアのもとで仕込まれて高級男娼になった瑛輝が、
グランドスラムの帝王・ワーグナーに憧れてテニスを始める。
帝王との確執、帝王の死、帝王の弟子との愛憎劇と救済が、上下巻にわたって語られます。

最初は、
テニスだけでよくないか…?
と思わなくもなかったけど、
上下巻かけて瑛輝の人生を読んでいたら、
もう、何も言えなくなった。

子ども時代は特に凄惨だけど、
ひたすら泥沼やら悲惨なわけではなく、

奪われ続けた子どもが、
希望を見つけて恋に落ちて愛を知って救われる話です。

瑛輝の快楽と贅沢に慣れた弱さとずるさとか、
誰かを失った悲しみに溺れて自己憐憫に浸る弱さとか、
納得がいくというか、
自分も同じ状況で同じ選択をしないとは言い切れないと思った。

逃げて一からやり直せなんて、
きっと第三者が口で言うほど簡単じゃないし、
同じ土俵に上がれないのに相手の選択を責めるのは、
傲慢な正義感の押しつけでしかないんじゃないかと思った。

アイユレとの諸々とか、
テニスに関するあれこれとか、
このジャンルでつっこみだしたらキリがないわけですが、
そういうのを置いといてもいい話だと思える本に出会えると、
小説の神様ありがとう!と言いたくなります。

しかし最後の2ページは個人的には蛇足。
いろんな意味で救済なんだろうけど。

そしてSHOOWAさんのイラストがすきです。
むしろ絵師さんが違ったら読んでなかったな。

レビュー投稿日
2011年8月2日
読了日
2011年2月11日
本棚登録日
2011年8月2日
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