少女レベッカ (角川文庫)

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感想 : 3

ふと本棚で目につき、何の気なしに読み出したらもうやめられなくて、続篇も合わせて一気読みしてしまった。奥付を見ると、この角川文庫版を買ったのが二十年前。初めて読んだのは忘れもしない偕成社版で、小学生の時だったが(半世紀近く前!)、装丁も挿絵もいまだに覚えている。当時すでにして立派な活字中毒児であったけれど、そうそう本を買ってもらえるわけではなく、もっぱら図書室の本にかじりついていた。だから、この本を買ってもらったときは本当に嬉しくて、繰り返し読んだものだ。その時の気持ちがよみがえってきて、胸がいっぱいになる。

このお話は、どうしたって「赤毛のアン」を思い起こさせる。主人公の少女が馬車に乗ってこれから住むことになる村にやってくる冒頭部分などうり二つ。そのときの御者のおじさんが、最初の、そしてずっと変わらぬ理解者になること。「愛くるしい」というわけではない一風変わった容姿、それにもまして個性的で活発な性格。家ではおばさんに厳しくしつけられ、親友となるのはちょっと鈍いけれど優しいきれいな少女。……共通点がありすぎて、えーと、どっちのエピソードだったかなあと思うものもある。

「レベッカ」の方が先行作だそうだが、作品としてはやはり「アン」が格上だとは思う。プリンスエドワード島の美しい自然をはじめ、なんといっても「アン」の世界はおしゃれだ。アン本人の魅力に加え、ダイアナとの心の交流も細やかに描かれるし、ギルバートの王子様ぶりもほどが良い。食べものや着るものの描写がまたオトメ心に訴える。

「レベッカ」は、そういう要素でことごとく、あまりロマンチックじゃないのだ。読み返してちょっと驚いたくらいに。身もふたもないオカネの話や、狭量で噂好きな隣人たちの話なんかが結構多い。また、作者がしばしば登場人物について人物評を加えるのだが、これが辛辣。これを小学生の時読んでたのかあ。どこまでわかっていたものか。いや案外、そうだからこそ「アン」よりこっちを好んでいたのかもしれないなあ。

少女小説と言えば「若草物語」や「小公女」あたりが人気の定番だろうが、私はあまり思い入れがない。「レベッカ」と同じ「少女ロマンブックス」シリーズにあった、「リンバロストの乙女」や「そばかすの少年」なんかの方が忘れがたく心に残っている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外の小説
感想投稿日 : 2016年2月9日
読了日 : 2016年2月9日
本棚登録日 : 2016年2月9日

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コメント 4件

シンさんのコメント
2016/02/09

少女レベッカってよかった探しだっけ……と思ったらあれはパレアナ(ポリアンナ)でした。これは未読です。辛辣なようなので、大人になってからの方が楽しめそうですね(笑)。

アンは子供の時ダイジェスト版を読んだきりなのに「ダイアナのイチゴ水」「ギルバートを石版で殴る」「マシュウの死」とエピソードがパアーッと甦ってくるからすごいですよね。
板坂耀子『私のために戦うな』に大人になってからのアンシリーズがいかに面白いかを語った箇所があったので、完訳を最初から読んでみようかな~。

『そばかすの少年』は竹宮恵子さんが漫画化していたのを読みました。竹宮さんは24年会費組で一番好きな作家ですが、これは竹宮作品の中でもかなり気に入ってます。

シンさんのコメント
2016/02/09

あ、24年組が24年会費組になってました(笑)。なんでだろう恥ずかしい。

たまもひさんのコメント
2016/02/09

ほんとに「『赤毛のアン』でどんなことを覚えてるか」って何人かで言い合ったら、結構たくさん出てくる人が多いのでは。やっぱり少女小説の王道って感じです。
アンシリーズは一時期はまって、何回も読み返したものです。第一作は不朽の名作だと思いますが、以降のイマイチの作品群も、「時代と女性の生き方」的にいろいろ考えさせられるものがあるような。

竹宮版「そばかすの少年」読みました! 何を描いても清潔な風が吹く竹宮ワールドで、原作よりずっと洗練された感じでしたね。

たまもひさんのコメント
2016/02/09

おや言われてみれば。会費って何の?謎ですね(笑)

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