やがて哀しき外国語

著者 :
  • 講談社 (1994年2月18日発売)
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本棚登録 : 709
感想 : 69
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久しぶりに読もうかなと思ってふと奥付を見たら、1994年第一刷とある。なんとまあ20年以上前ではないか。驚愕。わりに最近のエッセイだと思ってたのに。

村上春樹がプリンストンで教えていた頃のことが中心。当然のことではあるけれど、アメリカの状況もずいぶん変わったものだなあと慨嘆する。この頃のアメリカって、いろいろ問題はあるにしろ、自信と活気に満ちている感じだ。今やあんな大統領を選んじゃうほどだものなあ。

日常生活のことがすごく詳しく書いてあるというわけではないのに、海外で暮らすということがリアルな実感をもって伝わってくるのが、村上春樹の文章の力。これはつくづくたいしたものだと思う。

あと、ウンウンまったくそうだと深く納得したのが、ある程度年齢を重ねると、外国語(会話)習得にかける時間が惜しくなるという話。いや本当にそう思う。他にもっとすることがあるはずだ。流暢にしゃべることができるからって、それがなんぼのもんやねん。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ・紀行・回想
感想投稿日 : 2017年7月11日
読了日 : 2017年7月11日
本棚登録日 : 2017年7月11日

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