最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常

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レビュー : 288
著者 :
たまもひさん エンタメノンフ   読み終わった 

あの東京藝大のルポなのだからして、もう興味津々。確かに「秘境」と言ってもさほど大げさではない気がするほど、実態が見えない大学だ。いったいどんな天才奇才たちが生息しているのか?

さぞかし変わった人がいるのだろうという予想は、半分当たりで半分外れ。確かに、いやもう天才と呼ぶしかないよねという優れた才能の持ち主や(「口笛で藝大に入った」人がいる)、ちょっと他ではお目にかかれないファッションで構内を闊歩する人とか(この女性が一番のインパクトだった)、すごいわ~としか言いようのない方々が次々出てくるのだが、トータルな印象としては、多くの学生が真面目で真摯で、「普通の」若者なのだと感じた。

一般人から見れば抜きんでた才能を持つ藝大生も、その道のプロとして生きていくのはとても難しい。それでも一生懸命制作や練習に打ち込む姿に心を打たれ、「珍物件」拝見、という最初の気持ちは、読み進むにつれてすっかりなくなった。若者がひたむきに何かに取り組んでいる姿って、本当にいいものだとしみじみ思う。

音楽・美術それぞれに、思っていたよりもたくさんの学科や専攻があることにも驚いた。ピアノや油画のようなメジャーなものと並んで、古楽や三味線を学ぶ学生や、「先端芸術」という、何それ?という学科も登場する。なかなか内側を窺い知れない大学だけに、非常に興味深かった。



・これは是非見たい!と思ったのが、学園祭である「藝祭」。1年生による神輿パレードは、ニュース映像でちょっと見たことがあるが、やはり実物を拝まねば。

・東京藝大の入試はすさまじい倍率だが、国立なのだからしてセンター試験も受けねばならない。以前から成績も良くないと合格しないのだと思っていて、そこがまた藝大の値打ちをいや増すものだと有り難がっていたが、実技がずば抜けていたらそれで通ると書いてある。え~、そうだったの。

・友人知人で東京藝大出身者は一人だけ。楽理科卒の彼女の結婚披露宴で、声楽科卒の友人が歌声を披露してくれた。曲は「イッヒ・リーベ・ディッヒ」。みんな、もううっとり。次に指名された新郎側の友人が「新婦が藝大の人だとは知らなくて…僕も歌を歌うんですけど…スミマセン」と恐縮していた。彼が何を歌ったかは忘れた。

レビュー投稿日
2016年10月31日
読了日
2016年10月28日
本棚登録日
2016年10月28日
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