know (ハヤカワ文庫JA)

4.03
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本棚登録 : 1701
レビュー : 222
著者 :
制作 : シライシ ユウコ 
たまもひさん SF・奇想・幻想・ホラー   読み終わった 

いやあ、これはこれは!久々に「SF」を読んだなあという満足感でいっぱい。危うくパスするところだった。よくぞ読んだものだ。

大森望さんの「萌え要素をちりばめながらそっち方面には行かない」という評がなかったら、この表紙ではまず手に取らなかっただろう。控えめではあるけれど、はっきりとラノベ的。おまけに冒頭部分があまりにも陳腐で、投げ出したくなったのを我慢して読んでいったら、だんだん引きこまれていった。大森氏の言う「ちりばめられる萌え要素」はまったく好きではないけれど、物語の行き着く先は堂々たるSFの大技だ。

もっとはっきりちゃんとしたSFってわかるようにしてよね!と思いかけて、ふと気づく。いやこれは逆なんだな。「本格SF」じゃないなら読まないもん!なんて奴より、ラノベ風の看板にひかれて読んだら、あらまあこれってすごいんじゃない?って思う人の方がずっと多いってことだ。

提示されるビジョンの大きさがとてもいい。想像力を駆使して、思いも寄らない景色を見せてくれるのがSFの醍醐味だろう。しかもそれが突飛なものという感じがないところが本作の優れているところだ。いやまあ、常識的には十分突飛なんだけど。

あと、大森氏も書いていたが、京都で学生生活を送った身には、設定が感涙ものだ。2080年の未来にも京大がまだあって、それより何より、進々堂が創業150年を迎えているというんだから!確かに京都は(特にあの近辺は)少々の時の流れにはびくともしない感じがある。いろんな意味で楽しんで読みました。

レビュー投稿日
2013年12月28日
読了日
2013年12月28日
本棚登録日
2013年12月28日
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