実録! あるこーる白書

制作 : 月乃光司 
  • 徳間書店 (2013年3月15日発売)
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感想 : 58
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前に「おサケについてのまじめな話」(西原理恵子・月乃光司)を読んだ時に、サイバラがギャグにしてた鴨ちゃんとの生活が実際には地獄のような壮絶なものだったことを知り、本当に驚いた。本書を読むと、まだまだ語られていないことがあるのだとわかる。サイバラは、それを吾妻ひでおさんに「いっぱいネタ持ってんなあ」と言われて、一緒に笑っている。まったく彼女のプロ意識には恐れ入る。

とにかく「日本一有名なアル中の家族」として、この病気への理解を広めたいというサイバラの迫力に満ちている。吾妻師匠のとぼけた味わいと、月乃さんの身につまされる話とのバランスも良く、笑いながらアルコール依存症への理解が深まる内容になっている。

本当は今苦しんでいる当事者に届くのが一番いいんだろうが、なかなか難しいだろう。サイバラが言うように、相談された親戚のオバチャンが少しはましなことが言えるように、多くの人が正しい知識を持つことが大事なんだな。

大層心に残ったのは、やはりアル中だった高田渡さんの葬儀の時に息子さんが言ったという言葉。「これから父親は伝説になってみんなに語り継がれていくでしょう。みんなに愛された男でした。でも息子からひとつだけ言わせてください。あいつは最低の人間でした」

月乃さんが「中島らもさんとか赤塚不二夫さんが、魅力的に描かれるのは、じつはこの病気にとってはマイナスなんですよね」と言っているのにも、うーんと考えさせられた。まったく難しい問題だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 対談・インタビュー
感想投稿日 : 2013年6月4日
読了日 : 2013年6月4日
本棚登録日 : 2013年6月4日

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