インカとエジプト (岩波新書 新赤版787)

  • 岩波書店 (2002年5月20日発売)
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感想 : 9
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専門家同士の対談って、話が広がって行くところや思考の発展があったりして好きで、この本もなんとなく手に取った。話の流れをきっちり決めてやった対談な感じでした。
内容はエジプトとインカの文明の比較で、文明とはってところを探る。
エジプトと言うとピラミッドはなぜ建造されたのか?とかピラミッド軸の話が多いと思うけど、成り立ちや民族、ざっくりとした歴史などがインカ帝国との比較でわかって長年の宿題を終わらせた気分。
遠く離れて時代も違うけど、共通して遊牧民が農耕民族を征服する過程があったり、進化?の型ってあるのかな?と思ったり。どちらも青銅器文化のまま発展していったとか興味深い。
周りの文明と関わっていたエジプトと、独自のインカという比較も面白い。古代世界の中のエジプトの立ち位置とか面白い。

インカ帝国が文字を持たなかったと言うことも初めて知って、どうやって統治や技術の伝承をしていたのかと気になる。もし滅びずに独自の発展をしていたらどうなっていたのかすごく知りたい。
争いがあまりなかったから武器が発展しなくてスペインに対抗できなかったのだし、文明の遅れてるかどうかは戦力だけでは測れないはず。(そもそも優劣なんてないと思うけど。)
独自に発展した新大陸の文明が残っていたらと思うともう知れないのが悲しいな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年8月16日
読了日 : 2020年8月16日
本棚登録日 : 2020年7月24日

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