舟を編む

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本棚登録 : 25022
レビュー : 4029
著者 :
nico314さん 三浦しをん   読み終わった 

あまり見聞きすることのない、辞書編纂にかかわる人たちの仕事を垣間見ることができ興味深い。それぞれの登場人物の、仕事への情熱や辞書に対する愛着と思い入れが伝わってくる。

馬締くんをはじめどの人も魅力的だけれど、少し屈折した西岡くんがいい。「だれかの情熱に、情熱で応えること」(P140)こんな風に自分は仕事しているかな、ちょっと自分を振り返りたくなる。馬締くんや松本先生のようにスペシャリストとして一本筋の入った仕事ができるのはとても大変だけれど幸せなことだと思う。けれど多くの人は西岡くんのように、自分の仕事に自信が持てないまま、それでも目の前のことを誠実に続ける。その結果、後から振り返ってみればほんの少し前進していたと、わずかに満たされた気持ちが生まれる。その繰り返しなのではないかな。それが誰かの役にたてて、その人が少しでも楽になるならいいなと思う。

レビュー投稿日
2012年9月29日
読了日
2012年9月10日
本棚登録日
2012年9月11日
11
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『舟を編む』のレビューへのコメント

HNGSKさん (2012年10月30日)

そうですよね。まじめさんみたいに、あんなに真摯に仕事に打ち込める人なんて、そうそういないし、仕事のほうからもあんなに応えてもらえる人なんていないですよね。やったって報われない人のほうが多い。西岡君の方が、この世の中には多い。そのとおりだ。
余談ですが、私は西岡君の「こころ」のくだり、「先生の遺書が異様に長くてマジうけた」が、大好きです。

e-kakasiさん (2013年2月16日)

今頃すみません。その夏目漱石『こころ』について一言。『舟を編む』に書かれている話は、もう何十年も前から、高校生ですら知っているエピソードで、三浦しをんが、いまさら自分の小説にどうして書くんでしょうか?分かりません。

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