本書を一言でまとめると、ワクワクすることをしていれば道は開ける!といった内容です。

私自身も、自分が没頭できて楽しいことやっていれば人生に多くのものがもたらされるという考えには賛成なのですが、本書ではこの思想が誰にでも効果的があるという説明に説得力がありません。

著者の努力はもちろんあるのでしょうが、たまたま幸運にもこのやり方で上手くいったという可能性を否定出来ないと思います。

脳科学の引用もあるのですが、自分の主張を適当に根拠付けるために断片的に用いられており、全体的な本の構成にまとまりがなく、また著者の体験談(自慢話?)にたくさんのページが割かれていて参考にならない部分が多いです。

そもそも著者の主張している方法が、他の様々なメソッドから引っ張られてきたものです。

例えば
・実現したいことを口に出す
・ワクワクする目的をもつ
・ポジティブシンキング
・ありがとうを口癖にする

こういった自己実現系のメソッドのようなものを知りたいのであれば、それなりにしっかりとした理論付けがされている本が他に沢山あります。

著者の一風変わった人生の自慢話を聞きたい人は、読んでみるといいかもしれません。

2012年7月31日

ネタバレ

和書では珍しいほど図柄のパターンが豊富に掲載されていて、西洋の紋章や図柄を参考にしてデザインを考えるときにはとても参考になります。

図柄はきちんと整理されて配置されていて、ひつじといった動物名や腕などの体のパーツ名、ドラゴンや人魚といった架空の存在などに細かくジャンル分けされているので目当ての物を見つけるのも容易です。

紋章などでは、森護さんが紋章学の本を出版されていますが、この本は純粋にデザインのコレクションなので、紋章の由来や背景を知りたい人は森護さんの著書をお読みになると良いかと思います。

2012年7月31日

宗教画や神話画に散りばめられたシンボルを理解することで、その絵の時代背景やメッセージを読み取ることができるようになります。

この本では、シンボルのテーマごとに細かく説明されていて、使われている例の絵も有名なものが多くわかりやすいです。

特に犬と猫の対比は興味深く、犬は「忠誠」や「信頼」を表すのに対し、猫は「怠惰」「好色」「悪魔の化身」といった非常に強い「負」のイメージの象徴として描かれます。
日本人である私にとって、猫は飄々としているといった印象はあっても、怠惰はともかく好色のシンボルとして描かれているのは意外で面白いです。

例として説明されているのはマネの「オランピア」ですが、この絵は発表された当時はとても不評で画壇から激しい非難を受けたそうです。
その時代では、女性は理想化し神話の世界にいるかのように描くという暗黙のルールがあったのですが、マネはあえて女性をリアルに描くことで、肉体の生々しさを強く表現した絵を描き上げました。

この絵は裸婦像ですし、「好色」を暗示する黒猫が描かれています。
また左手で隠している女性の陰部は、フランスでは「雌猫」といった呼び方もされます。

西洋の絵画には、常に様々なメタファーとシンボルが埋め込まれて描かれていますが、東洋の人間である私達には、前知識なしにそれを理解することは当然出来ません。

美術館に行く際に携えていくと、絵画を違う視点から見れますし、一層深い理解ができて楽しめます。

2012年7月31日

ネタバレ

「世界シンボル事典」「イメージ・シンボル事典」などに比べると、文章も簡潔で内容の膨らみにかけるところがある。

ただ本のサイズは大分コンパクトなので、携帯して移動中に読みたい人には良いかもしれない。
いずれにしても補完的に扱うには良いが、辞書引きとして使うには少し物足りない。

網羅的に書いてある大著を持っている人が、2冊目として買うのはオススメ。

2012年7月27日

読書状況 読み終わった [2012年7月27日]

象徴辞典の大著で、ヨーロッパにおけるシンボルの意味を中心に解説しつつもアジアや南米におけるシンボルの意味への裾野を広げて記載している。

現代の深層心理学では、C.G.ユングの考えにしたがって、イメージが生み出されるモチーフの形態にはアーキタイプが存在すると考えられている。
そこには全世界に共通の普遍的アーキタイプがあり、私達の心象や精神に少なからぬ影響を持っている。(ただし、これは全く根拠のない非科学的なものと否定する学派もある)

シンボルから私達が受ける印象というのは、個人的な経験もさることながら、生まれ育った文化的背景の影響も非常に強く受けているので、ある意味で象徴の与える印象とは自身の内面の投影ともいえる。

単純に読みものとしてツラツラと読んでも面白いが、自分のもつ印象と書かれている意味を対比させる一層読み応えがある。

またシンボルの多くが一義的な意味に定義されるのではなく、様々な意味を持つのは興味深い。
一例をあげると、特に竜は西洋では邪悪な敵の象徴としてよく描かれるのに対し、東洋の龍は自然界の聖霊といったイメージをもつ。

アト・ド・フリースのイメージ・シンボル辞典と並ぶ、大著でどちらも甲乙つけがたいが、こちらのほうが図も多く平易で読みやすい。

2012年7月26日

試験勉強の技術と書いてあるが、暗記法などといったテクニック的なものよりも、どのようにシステマチックに勉強して、勉強全体の効率を上げていくかということに多くのページが割かれている。
特に、「分からない問題を分かるようにすることは100%の質の勉強であり、わかる問題をいくらといても学力は上がらない」というのは、人によっては耳が痛いのではないだろうか。
えてして私たちは、自分の慣れていることばかりをやりたがるので、解けなかった問題やわからないことには無意識的にも避ける傾向が強い。
この例にかぎらず、感情的な行動によって勉強の質が落ちてしまうのを防ぎ、きちんとした目的意識をもった勉強していくことで、誰でも学力をつけ試験に合格できる勉強をする方法論や勉強自体に対する考えた方が書かれている。

小手先のテクニックや精神論ばかりを書いている勉強本が多い中、学問に王道なしと言われるように、勉強に対する姿勢そのものも特別なものがあるわけではない。
しかし、筋道の通った合理的、論理的な思考に基づいて着実に勉強する人は少ないので、この本に書かれている至極当たり前のことを確実にこなすだけで、非常に大きなアドバンテージを得ることができる。

91篇のエッセイと最後にFAQがあるが、真剣に勉強をしようと思っている人は、まずは通しで読み、毎日一遍ずつでも読みなおして自分に染み込ませると良いかと。

ただし、あくまでも書かれていることは、至極当たり前の事。中には読んでみて「なんだ当然のことじゃないか」と拍子抜けする人もいるでしょう。
しかし、多くの人が視野が狭くなってきちんとした勉強法を確立できていないのも事実。
自分に自信がある人も、一読してみると得るものがあるかもしれない。

この本に書かれている、「勉強への意識と姿勢」がしっかりと血肉になれば、単なる試験勉強に限らず、「学ぶこと」に対する力がつくはず。

2012年7月3日

レバレッジシリーズを書いている本田直之が書いた小説仕立ての変化球レバレッジ本。

小説仕立てであるけれども、あくまでも物語風レバレッジシリーズと考えたほうがいいと思う。

リストラ寸前の目立った能力もない社員が、当たることをかけらも期待されていない新雑誌創刊に、他のいわくつきでとばされてきた寄せ集め社員チームで奮闘するというお話。

強調したい考えが太字で書かれているので、読んでいるとそこで妙に現実引き戻されます(笑。

レバレッジの考えを知りたいなら他の著作を読んだほうがいいし、小説仕立てのものがいいなら、「もしドラ」のほうが楽しめるかと。

「走る」ことに関して何か面白いことは書いてないかと期待して読みましたが、まあ・・・そこに期待していた私が間違っていたと思います。

しかし純粋に小説として読むにはちょっとという感じだし、物語でビジネスを教えるにしては話が非現実的にうまく行きすぎてるのではないかと・・・。

ひとつだけ記憶に残った文章があるので書いておきます。

中国のことわざらしいですが、
「日本人は一人だと豚だが、三人集まると龍になる。中国人は一人なら龍だが三人集まるとただの豚」

著者のシリーズのファンなら、また違った側面が見れていいかもしれません。

2012年3月24日

読書状況 読み終わった [2012年3月24日]
カテゴリ Essay エッセイ

「考具」 考えるためのツールを集めて紹介している本。

約20個の考具が、章に分かれて説明されているが、同じものが違う使い方で紹介されていたりもするので、何個かは被っている。

内容的に斬新なものは見当たらないけれども、こういった考える系、発想系のツールが一冊にまとまって説明してあるので、煮詰まっていたり、アイディア枯渇状態にある人には助けになる本。

他の色々な思考ツールの本を読んだけれども、大体この本でカバーされているので、まずこの一冊を読んで、特に惹かれる方法などがあったらそれについて詳しく書かれている本を読むといい。

”アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない”

”デザインはわがまま→思いやり”

などなど、著者の経験からくる言葉もあるので、読んでいて退屈しないし、サクサク読める。

2012年4月3日

「見える化」によって、仕事の効率をあげるための様々な手法が解説されている。

基本的に、見える化=図がついてる精密なマニュアル作成と考えてよい。

「見える化」をすることで、

・ルーチン業務を誰がやっても同じレベルにできる。
・仕事を教える側の手間が省ける
・仕事の質を一定水準に保てる
・思考を深化できる
・共有することで容易に改良できる

などがあり、また自分自身でも

・考えが整理される
・考えが俯瞰できるので、欠陥を見つけやすい
・考えの範囲が明確になる
・考えを操作して改善できる

プロジェクトも、PDCA=Plan,Do,Check,Actionの各段階を「見える化」することで、進行をスムーズにし、イメージの明確化で強い動機を維持できる。

全体的に真新しさはないのだけれども、マニュアル化に関してきれいにまとまっているし、細かい方法論がのっているので、実際、事に当たっている人間にとっては参考になる点が多い。

2012年4月2日

ネタバレ

2007年の世界ブログ大賞に選ばれたというブロガーが書いたタイトル通りの「減らす」本。

正確には、効率化と無駄なものの排除なので、既存の仕事術のたぐいとかなりかぶる部分があるが、いかに効率的に処理するかよりは、いかに負担を減らすことで逆にパフォーマンスを上げるかに特化しているので、仕事術本を結構読んでいる人でも参考になる部分はあるかと。

特に色々な意味で「絞ることの大切さ」を訴えてる本は少ないので、やることが溢れて処理できないように感じている人にはおすすめ。

ただ内容的には繰り返しも多いので、そこらへんも減らす技術を見せて欲しかった。

2012年3月25日

第一章 健全な心と身体は睡眠中につくられる。
第二章 「枕不眠」ではありませんか?
第三章 正しい枕の選び方、教えます
第四章 枕選びのケーススタディー
第五章 整形外科医が教える「正しい睡眠」

1.概要

枕に関しては、色々な意見があって玉石混交だけれども、この本では論理と経験に基づく筋の通った「枕論」が書かれているので、ぷらっと立ち読みした際にそのまま買ってみた。

週の三分の一ずつを、整形外科医として、頚椎症やリウマチ、睡眠無呼吸症候群の研究者として、残りを枕屋として過ごしている一風変わった医者の書いた本。

2.内容

2003年に行われた調査によると、日本人の約20%にあたる2400万人が睡眠障害に苦しんでいる。
アメリカではなんとその倍に当たる約40%、日本の人口とほぼ変わらない人口の人たちが不眠症だが、お陰様で「快眠産業」は大盛況。

「グッド・スリープ」を題する新しい商品やサービスが引きも切らない。

まあ、快眠産業が成長産業となっているということは、人類の不眠環境は悪化しているということで、本末転倒な展開になっている。

ちなみに、現在の枕に満足しているかというアンケートでは、満足が12%、どちらでもないが28%、不満が60%とのこと。

第一章では、現代の睡眠事情と、睡眠の仕組みについて解説している。
ここらへんは、睡眠関連の本を読んだことがある人なら流せる内容。

二章から本格的に不眠の話に移っていく。

まず不眠症にはおおまかに4つのタイプがある

1.入眠障害
2.途中覚醒
3.早朝覚醒
4.熟睡障害

そして著者のいう「枕不眠」どのタイプにも潜在的に潜んでいる。
これは体に合わない枕を使うことで、1から4までのどのタイプの不眠症も現れる。

この体に合わない枕というのはニアリーイコールで寝返りのしにくい枕。

身体に合うためにはやはりオーダーメイド枕が必要だが、市販のものはそもそも計測方法が間違っている場合が多いし、顧客の好みを優先しすぎるきらいがあるので、体に合うものよりも客の感覚を重視してしまい、いくらオーダーメイドでも結局、不満足な結果に終わる場合が多い。

著者の医院では、患者にあった枕の調整をおこなっているそうだが、人間の感覚は微妙なもので5mmの違いでも結構な精度で自分のぴったりあっている高さを発見できるらしい。

本書では、枕の選び方から、せんべい座布団を使った自作枕の作り方まで説明してあるので、自分で作ってトライしてみたくなる。

また枕だけでなくマットレスが重要なのも言うまでもないが、どういったマットレスがいいかの解説はあっても、どうすればいいのかは書いてない。
良いマットレスを手に入れる方法もできれば書いて欲しかった。

私も自分の枕に不満足まで行かなくても、バッチリとキマっている感じはしないので、ぜひ自作枕に挑戦してみたいのだが、せんべい座布団がない・・・。
家にかならずあるものでもないので、代替品の提示をしてくれると助かるのだが・・・。

一体どこで手に入るんだろう・・・、せんべい座布団・・・。

2012年4月3日

読書状況 読み終わった [2012年4月3日]

まず表紙についてる内臓脂肪の写真に驚かされる。
胃が内臓脂肪の海に浮いている写真なのだけれども、その脂肪が鳥のもも肉とかについている脂にそっくり・・・。
直感的に、これはよろしくないというのが一目でわかる。

2012年4月2日

1ページ1話形式で禅の精神に基づいたちょっとした「非日常的心の在り方」が書かれている本。

2012年3月24日

読書状況 いま読んでる
カテゴリ Essay エッセイ

怖い絵シリーズの著者が書いた一冊。

肖像画の類は、絵としての美しさもあるけれども、その裏にある時代背景、人間関係などを知っていると浮かび上がってくるものがあるので、それを含めて鑑賞すると妄想が膨らんで面白い。

・運命
・呪縛
・憎悪
・狂気
・喪失
・憤怒
・凌辱
・救済

の章から構成されていて、それぞれで何枚か絵をとりあげつつ解説している。

歴史の流れをおいながら説明して行くので、好きな人にはたまらない本だけれども、登場人物の感情描写は、どうしても作者の主観的部分がたぶんに含まれざるを得ないので、そういうのが苦手な人は要注意。
個人的には、いい具合に話を盛り上げてくれる良いスパイスだった。

2012年3月22日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2012年3月24日]

第一章 不意に言葉に詰まる、物忘れをする
第二章 「まあいいや」が人をボケさせる
第三章 パソコンにカスタマイズされる脳
第四章 ネット依存と「思い出す力」の低下
第五章 人の話が聞き取れない、頭に入らない
第六章 血流の問題、脳が損傷している可能性
第七章 クリエイティブな能力を失うとき
第八章 「逃げたい」心が思考を止める

タイトルは「フリーズする脳」となっているけれども、主にボケに関する本。
最近は、ボケは老人だけのものではなく、若くてもボケてしまっている人が増えてきているらしい。

ボケの原則は、自分の脳を使っていない、或いは使い方のバランスが悪いことが原因になる、またその使っていない部分を「何か」が補填してしまっている場合が多い。

特に下記のことが思い当たるは要注意

・ルーチン化して変化のない仕事、生活を送っている
・「上の空」の状態にあることが多い
・新鮮な体験、チャレンジがない
・自分が何をしていたのか忘れてしまう
・「頑固になった」「考え方が古い」と言われる
・目を動かさない、言葉を話さない環境にある

また「ボケ」が重症な人は、診察室に来ても目が動かない人が多く、これも自分の身知らない環境に興味を示さない=新鮮な体験がないとも言える。

「ボケ」を改善していくためには

・普段と違うことをする
・目を動かす eg)散歩をする、遠くの景色を見る
(朝一時間散歩するだけでも、随分と改善するケースが多い)
・音読をする
etc...

特にパターン化しないというのはとても大事で、毎日、同じような仕事をして週末は休みだけといった生活をしている人に、ボケが起きやすいので、遊びに外出するのはストレス対策だけでなく、ボケ対策としても大事。

最後の第七章では、クリエイティブな能力と脳について書かれている。

「仕事ができなくなった」「クリエイティブな才能がなくなった」といって来る人もなかにはいるらしいが、それはボケとは違うので著者もどう対応したものかといったところがあるらしい。
しかし、そういったケースでもよくみられるのが、「生活の単調化」

例をあげると、作家などでは認められるまで、お茶くみやらコピーやらで雑用をこなしながら書き物をしていたのが、ベストセラー作家になったりすると、執筆のみに時間を費やすようになる。
こうなると同じような作業ばかりするようになり、ボケとは言えないものの脳みその一部しか使わないような生活になってしまう。

クリエイティブな能力は、総合的で非常に高度な脳機能なので、アイディアとかインスピレーションを出すために特化しているよりも、様々なことをこなしているほうが、結果的には脳が活性化してクリエイティブになる。

読んでいる最中に、ボケに入りやすい人は、ちょっとしたプチ鬱状態が続いていたのではないかとも思った。
生活が単調になるのは毎日の仕事のルーチン化も大きな面を占めるけれども、外に出て何かをしようという気力もないというケースも多く、気持ちが落ち込む→活動的でなくなる→徐々にボケへのコースへといった構図に見えなくもない。

結びに、現代社会は兎角、高度にシステム化されているせいで単調な生活を送りやすいので、ボケになるまいと思って生きるよりも、不穏な兆候に気づいて、自分で修正できるのが大事だと述べている。

自分を振り返って、思い当たるところがある人は、一読の価値があると思います。

2012年3月20日

ネタバレ

GTD原著の新訳版。

2006年に出ている「GTDストレスフリーの仕事術」をもう少しまとめた感じになっているが、ところどころで前著に書いてなかった内容がある。

作者自身も書いているとおり「小技」、つまり細かい部分がグッと増量されていて、整理術に必要な文房具も細かく書かれているが、基本的なものばかりで特別なものは必要ない。

・書類トレー
・紙
・ペン
・付箋紙
・ペーパークリップ
・ダブルクリップ
・ホッチキス
・テープ
・輪ゴム
・ラベルライター
・ファイル バインダー
・カレンダー
・ゴミ箱

意外と持っている人が少ないのは、ラベルライターかもしれない。
これはGTDに限らず他の色々な整理術でもかなり使用頻度が高いので、一台持っていると何かと便利。

ここからが本題のGTD最初のステップである「収集」のプロセスが始まる。
ケースバイケースだが、平均すると2時間ぐらいでほぼ終了するとのこと。

この収集を行う理由は

1.取り組まなければいけないことの全体量を把握する
2.何をどこまでやれば、終わりということがわかる
3.まだどこかに気になることがあるかもしれないという意識があると、次の「処理」と「整理」に集中できなくなる

GTDのミソは、自分の頭から問題を出してしまって、無駄な容量とエネルギーを使わないことなので、最初の「収集」のステップも徹底的にやる必要がある。

2012年3月20日

ネタバレ

西洋音楽の起こりから現代に至るまでの「流れ」を書いた本。

教会音楽とグレゴリオ聖歌、そこからルネサンスの調和の音楽へといたり、バロック時代の構造の音楽、そしてそこから脱却するように生まれたロマン派。

音楽そのものよりも、どういった時代背景と空気でその時代の音楽が生まれてきたかを説明していて興味深い。

特に中世において、音楽は「世界を調律するもの」、一種の神性の体現として捉えられていたというのは、現代の感覚からかなりずれていて面白い。
(それゆえ、グレゴリオ聖歌などは、神聖さと厳粛さのために現代の不協和音であるドソが和音で、ドミソは不協和音と考えられていた。)

私たちが思うように音楽を楽しんでいたわけでなく、音楽を娯楽と捉えるようなったのは、ルネサンス以降であり、当時広まり始めた印刷技術によって、一気に芸術としての音楽が開花して行った。

パトロン=貴族やブルジョワのために音楽が作られたバロック時代の音楽から、まさに大衆の音楽となったロマン派の時代。

そして、現代のポップ音楽が、旋律構造的にもその感情喚起という点からも、ロマン派から上っ面が変わっただけで中身は変化らしい変化が起きたわけではないというくだりがある章は、クラシック愛好家もポップスしか聞かない人にも読んで欲しい。

クラシックを漫然と耳触りが良い音楽として聞いていた自分には、バックグラウンドがわかることで色々といままでになかった視点が得られたし、のめり込んで一気に読んでしまった。

音楽史に興味があっても、あまり知識はないし、緻密に歴史を書き連ねている重い本はちょっとという人にとてもおすすめ。
ただ最低限の世界史の知識がないと楽しめないかもしれない。

2012年3月22日

読書状況 読み終わった [2012年3月22日]
カテゴリ Essay エッセイ

サブタイトルでも分かる通り、「ミトコンドリア」が体にとっていかに重要な役割を果てしているか。
また「ミトコンドリア」を活性化することで、健康と長寿を実現する方法がメインに書かれています。

「ミトコンドリア」と「活性酸素」が話の大きな主軸ですが、全編を通じてわかりやすい文で書かれていてサラっと読めます。

健康法も当然「ミトコンドリア」を増やすものになりますが、とてもシンプルで、

・「マグロトレーニング」をする
・いつも背筋を伸ばす
・寒さを感じる環境で運動をする
・空腹になる生活をする

といった感じで、ページを割いて詳細を説明しています。

骨子としては、要するに「ミトコンドリア」が増えるか或いは活性化するようなことを継続してやると、体のメンテナンス機能を良好な状態に保たれ健康で長生きができるという論理。

上記の運動は、体に「エネルギーが不足している」というシグナルを与えることで、「ミトコンドリア」を増やすことができる。
筋肉と同じようなもので、負荷をかけることで能力を引き出すことができるということです。

特に運動をしないで不健康になり、疲れやすくてさらに運動をしないと、体のエネルギー生産能力がひたすら低下し、悪循環に陥ってますます不健康になりやすいというのはよく知られていますが、単純に筋力低下→基礎代謝の低下と捉えるより、「ミトコンドリア」のエネルギー生産を絡めて考えるとミクロとマクロで似たようなことがおきてて面白いです。

結びに「活性酸素」を発生させない生き方を書かれていますが、やはり「ゆっくり生きる」ことが大事なようです。
心でも体でも急な負荷がかかることは、「活性酸素」を発生させます。
その逆で、心も動きもゆっくりとして、心身ともに余裕があることが、健康長寿の秘訣です。
まあこれはよく言われていることですが、ミトコンドリア的にもそういうオチになるということで。
ミトコンドリアは「ゆっくり」の先に現れるそうです。

先ほどの運動をするという下りと少し矛盾するように聞こえますが、本を読んでくれれば納得できると思います。

あまり科学的に深いとこには触れない平易な内容で理解しやすいが・・・、もうちょっと突っ込んだ話も書いてくれても良かったかも。
なかなか他の健康本でみない視点で書かれているので、「ミトコンドリア」で興味を引かれるなら、一読の価値はありです。

2012年3月15日

半日断食の効用と実践方法、症例が書いてある本。

この本の薦める半日断食は、よくある朝食抜きスタイル。

①朝食をとらずに、水分のみ。
②食事量も控えめにし、間食はしない。
③水分は、生水か柿の葉茶。
④肉や乳製品、油、刺激物は避ける。

半日断食を始めると、便秘になる人も少なからずいるので、水酸化マグネシウムを水に垂らして飲むのを薦めている。

そして、さらに可能であれば週に一回、一日断食を行う。
ただ一日食べないと、きついと感じる人も多いので、しいたけ、こんぶ、醤油、黒砂糖でつくるすまし汁と水分だけで過ごすのもOK。
すまし汁のレシピは本に詳しく書いてある。

断食によるメリット

1.眠っている本来的な力を呼び覚まし、体質をかえる
2.断食は快感をもたらす
3.断食はエネルギーの利用の仕方を変える
4.断食は宿便を排泄する
5.環境毒素を排泄する
6.自己融解をおこす
7.遺伝子を活性化する
8.スタミナをつける
9.免疫を上げる
10.活性酸素を減らす

現代の日本は、普通に生活しているだけで食べ過ぎになりがちなので、内臓の負担を減らすという意味でも、半断食ぐらいするのは体にとても良い。
一日断食をするとさすがに空腹感で辛いけれども、朝を抜くぐらいは大した負担にならないので、興味のある人は試してみると良いのでは。

自分は、朝は食欲が無いので、軽く何かを飲むだけにすることが多いのだけど、これからは青汁か水だけにして過ごしてみようと思う。

2012年3月28日

読書状況 読み終わった [2012年3月28日]
ツイートする