ムハマド・ユヌス自伝: 貧困なき世界をめざす銀行家

  • 早川書房 (1998年9月30日発売)
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感想 : 65
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グラミン銀行の創始者で有名なムハマド ユヌス氏 の自伝。
銀行なのにノーベル平和賞を取れるグラミン銀行を立ち上げただけでも凄いのに、バングラデシュの独立のため亡命政権の立役者の一人だったりと予想を超える華麗すぎる経歴の方でした。

自伝の中で底辺で生活している人たちへの無償の援助は無駄である。なぜなら援助している人の満足だけでもらった人が一日生き延びる効果しか無いという点では説得力のある実例を何度も出していた。日本でもいろいろ話題になるODAについても国を長い列車に例えてODAが先頭部分で引っ張っても国の上位の人たちへの直接支援になってしまい底辺の人の部分には計測可能な形で効果が出てこない点を疑問として挙げていました。

グラミン銀行(マイクロファイナンス)の仕組みについては自伝より詳しい本がたくさん出ているようなので気にいった箇所をメモ。経済投資する先の相手を明確にする(底辺から何%のひとまでに投資する)。予想リターンを明確にする(所得の伸びの目標を何%にするか)。この辺は個人の目標設定と共通する項目も多いが、経済投資では支援したい人より情報を持っている上位の層が潤ってしまう。

グラミン銀行の仕組みを理論的に高めただけではバングラデシュ全域だけでなく世界中にグラミンの仕組みを広げることは難しい。ユヌス氏が行った政治的な駆け引きの記述も多くあった。レベルが高すぎて参考にならない気もするが、譲っていいこと行けないことについての説明も丁寧に書かれていた。

この本を見るとグラミン銀行(マイクロファイナンス)が魔法のツールでこれをやっとけばOKという気持ちにってしまったので読み終わった後、騙されては行けないと課題があるのかネットで簡単に調べてもさすがに魔法のツールではないが高金利とか多重債務などの運用的な問題くらいで現在でも貧困緩和と事業収益の両方を追求する理想的なワークフローとして認識されているようだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済学
感想投稿日 : 2012年7月16日
読了日 : 2012年7月13日
本棚登録日 : 2012年6月29日

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