アマンダ (角川文庫)

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感想 : 4
5

よかった。3回は泣いたと思う。今回もクラヴァンらしいエンタテイメント。この人の作品は、まず関連性のない(ように見える)バラバラのエピソードを冒頭次々と提示し、多少不親切なくらい謎をちらばめたまま、強引に中盤まで突き進むのが特徴である。やがてそれぞれのエピソードや登場人物がつながっていき、最後に収束する。何というか、ちゃんとスッキリ終わるのでカタルシスがあるんだよね。

いきなり飛行機の墜落事故からはじまる。恐ろしい災害の描写で、ものの見事に物語に引きこまれる。墜落の衝撃で、一瞬にして地獄と化した町をさまよう5歳のアマンダ。題名にもなっているように、彼女が物語の鍵を握っている。母親のキャロルは無事娘と再会できたが、すぐに「この町を去らねば」と決意する。この母娘は何者かから逃げているのだ。
対するヒーロー役は、ルーニー・ブレイク。黒人のサックス奏者である彼は妻を不幸な事故で亡くしてから、無気力な生活を送っていた。ひょんなことから彼は妻の演技をしてくれた売春婦と一夜をすごしたのですが、彼女が忘れられず、居所をつきとめてしまう。突き放す彼女をむりに追ったがために、ルーニーは彼女と命がけの逃避行を強いられることに――

またも設定は突拍子すぎてリアリティはない。ミステリというより、アクション。映像化に向いてると思った。
あとジャズファンの人にはより楽しめるかもしれない。というのも各章のタイトルがジャズの名曲の一節だったり、ルーニーに関連してジャズの曲名や歌詞がところどころ出てくるので。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2020年10月31日
読了日 : 2001年10月1日
本棚登録日 : 2020年10月31日

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