九月が永遠に続けば (新潮文庫)

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本棚登録 : 37
レビュー : 6
ゆきやままさん ミステリ   読み終わった 

離婚後、高校生の息子と二人で暮らす佐知子。元夫安西の再婚相手亜沙実の娘、冬子を恋慕している犀田と関係を持つが、その後息子の文彦が失踪し、犀田が轢死する。犀田は何者かに突き落とされたらしく、直前まで一緒にいた冬子が疑われる。文彦の行方を追ううちに、佐知子は冬子と文彦が接触していたのではと疑念を持ち始め……

『ユリゴコロ』に続き、著者の2作目。これがデビュー作。率直に言ってしまうと、複雑な人間関係にも関わらず、描写がダラダラしている気がして、中盤くらいまで読むのがつらかった。数ページで引き込まれた『ユリゴコロ』とだいぶ違ったので戸惑う。

ミステリと言っていいのだろうか、犀田を誰が殺したのかという謎が確かにあるのだが、壮絶な過去を持つ亜沙実という女の前で、そんなものが小さく感じてしまった。
そして不幸な意味で蠱惑的な亜沙実に自らを差し出し消耗する男たち。それを知った佐知子の絶望と諦念。こんなことがあったにも関わらず、関係を断てないというか、断たないのか。佐知子のことが理解できない。

言ってしまうと登場人物の誰にも感情移入出来ないのだが、それでもグイグイ読ませてしまう筆力(謎の置き方?)はさすがというべきか。ただ、全てを亜沙実に起因させ、彼女が恐ろしいほどに魅力的だったから仕方がないという終わり方はいかがなものだろうか。とモヤモヤしたものが残る読後感だった。

レビュー投稿日
2020年1月2日
読了日
2019年12月26日
本棚登録日
2020年1月2日
2
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