<出来事>の共有には、当事者以外による分有がなさねばならない。また、印象的だったのは、映画『ワンダフルライフ』における、俳優たちの確信に満ちた自然さであるが故の不自然な演技、「自分の語りが受けとめられないかもしれないという不安ゆえに人の語りが自然と帯びる、他者への呼びかけの声が決定的に欠けている、加えて筆者の母及び祖母の戦争体験談という、無意識のうちの「戦争という<出来事>のの暴力を現在の物語として生きざるを得ない他者の存在を想起させる契機を欠落させ、自らの被害だけを記憶し、想起している」ということ。
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- 感想投稿日 : 2012年7月16日
- 読了日 : 2012年5月19日
- 本棚登録日 : 2012年7月16日
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