平穏無事で過保護気味な家庭で育った夏子が、刺激を求めて修道女を目指し、果ては道中出会った男の熊退治に同行するという自由奔放な冒険小説。
なんだか既視感があると思っていたのですが、
特別危険な事に挑戦する訳ではないけれど、例えば旅先でナビを無視して小道へ態と入って「何か面白い事があったらいいな」と刺激を求める感覚や、
ハマった小説を一気読みする時の高揚感と勢いを思い出しました。
ただ我儘で自己中心的なのではなく、暖かい家庭で平和に育てられた夏子だからこその好奇心に駆られた冒険なのだろうと思いました。
三島由紀夫は女性美の描写が卓越していると常々思っていましたが、心配性で小煩い母、叔母、祖母の3人の忙しなく生き生きした描写もコミカルで面白かったです。
くどくどしいロマンスでもなくさっぱりと一瞬で駆け抜ける夏子の冒険話は爽快で、また読みたいと思いました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年10月17日
- 読了日 : 2018年10月17日
- 本棚登録日 : 2018年10月11日
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