(上下巻合わせてのレビューです。)
テレビドラマ「水戸黄門」で有名な水戸光圀の伝記小説。
伝記と言っても、史実を元に著者が空想を加えたフィクションです。
著者は、冲方丁で、「天地明察」について、読むのは2冊目になります。
前回の「天地明察」を読んだのがはるか昔(数年前)だったのですが、
あのころの記憶がよみがえってくるような本でした。
「天地明察」の主人公同様、光圀が大きな「志」を抱いていく様に
どんどん引き込まれていきます。」
上巻最初の100ページほどは本当につまらなくて、
「あれ、今回は(本選びに)失敗したのかな?」と思っていたのですが、
いやはや全くの誤解でした。
フィクションと言っても著者はとても
史実の元ネタとなっている原著をよく読みこんでいる様子が分かります。
もともとあるファクトに著者オリジナルの空想を振りかけ、
大作を紡ぎ出しているのでしょう。
著者のボキャブラリーの豊富さに圧倒され、
よく理解できない単語や漢字の読み方、和歌などたくさん出てきますが、
それでも大きな「志」に向かっていく光圀を見ると、
彼の生きざまを最後まで見届けたいという気持ちになってきます。
自分の「志」とは何か?と考えさせられる小説です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2020年1月22日
- 読了日 : 2020年1月19日
- 本棚登録日 : 2020年1月14日
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