一言で言うと、暗い、とても暗い本だ。
見た目もブラックで暗いのだが、内容も暗い。
しかし、内容は当時の落合野球を知る者にとっては、
とても興味深い。
著者は新聞記者時代、中日担当だったみたいで、
落合監督の取材をたくさんされた中で、
落合監督のマネジメントについて
ノンフィクションで書いています。
というか、これは本当にノンフィクションなのか!?
と、思わされるくらい、選手の内面に切り込んでいて、
(落合監督はともかくも)本当に選手にまで取材し、
当時の心境をヒアリングした上でのこちらの本なのか、
著者の推察も多分に入ったうえでのこの本なのかは、
正直伺い知ることはできない。
しかし、上記を飲み込んだ上で、
この本をノンフィクションとして読むとすれば、
著者の地道な取材により、当時の落合野球が
なぜこんなにも強かったのか?を浮かび上がらせている。
一言でいえば、落合監督は他の人が見えていない
ちょっとした選手の違いを観る観察眼が
尋常ならざるほど発達しているということだろうか。
そして、勝利にとことん貪欲な
プロフェッショナルマインドを持ち合わせている点。
それが外からは冷徹な印象を与えてもしまうのだろう。
優秀な監督だなと思う反面、
正直、あまり一緒にやりたいとも思わない矛盾した
感情だけが残った。
決して読了感はよいものではないけれども、
勝つためにとことんこだわる姿勢を学ぶ意味でも
一読の価値のある本だろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年4月26日
- 読了日 : 2024年4月25日
- 本棚登録日 : 2024年4月23日
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