へんないきもの (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2010年5月28日発売)
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本棚登録 : 399
感想 : 51
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 つい先日のことです。私はイズミヤの八百屋さんで、白雪かぼちゃをみつけました。これ、おいしいんだよね~、と、らららんらんな気分で買い物カゴにその白雪かぼちゃをいれるやいなや!!強烈な体臭を放つショッキングピンクな生き物があらわれて、「ケッ、馬鹿が。こっちの中国産のにすりゃ、百円も安いのに」オーマイガッな存在感を私の耳元で炸裂させてソノ生き物はお尻を振り立てて、去ってゆきました。ああ、おばさん、食品売り場に来る前に、まずはお風呂に入ろうよ……と、私は彼女を見送ったわけです。私から見れば、彼女は、まさにヘンなおばさんそのものですが、彼女から見た私は、きっとゆるしがたいおばさんだったのでしょう。
 同じホモサピエンス同士でだって、わかりあえないこの世の中、広い世界を見渡せば、ヘンな生き物ばかりです。この本には、こんなおばさんのことは残念ながら載っていませんが、無表情で無脊椎なチアリーダー、キンチャクガ二。世界のどん底で愛想を振りまくセンジュナマコ、裸でも象でもクラゲでもないハダカゾウクラゲ。エイリアンの干物ワラスボ。みなみのしまのあくまだよアイアイ、などなど、読んで楽しいへんないきものばかりがたっぷり載っています。
 ヘンな人と出会ってしまった後の、気分直しにおすすめします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 生物
感想投稿日 : 2018年2月17日
読了日 : -
本棚登録日 : 2018年2月17日

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