ディズニーランドで、お掃除の人、ほうきとちりとりを持ったカストーディアルさんに「何を拾っているんですか?」と聞いたことがありますか?
私が聞いたときには、「夢のカケラです」と、答えてくれました。
例えば、小さな子どもがポップコーンをまき散らすようにこぼしてしまったとき、ディズニーランドのカストーディアルさんは、そそくさとかき集めたりはしません。魔法のほうきを持っているかのような仕草で、しなやかに踊るようにきれいにします。その華麗なほうきさばきに、周りで見ている人たちから、拍手が起こったりすることさえあります。
創業したころのディズニーランドにも行ったことがありますが、昔々は、これほどではありませんでした。サイッテーと思うような目にあったことさえあります。
でも時間が経てば経つほど、ディズニーランドのサービスはよくなってきました。それってすごいなと思います。
掲載されているのは、全部で4話。
第1話の「夢の国の落し物」は、いい年をしてそうじの仕事なんか恥ずかしい、と思って娘に嘘をつく人の話。
第2話の「月夜のエンターテイナー」は、ディズニーランドなんか子どもだましの乗り物に金払うなんか馬鹿らしい、と思っていた従業員の話。
第3話の「魔法のポケット」は、大学まで出した一人娘がそうじの仕事をやらされるなんか冗談じゃないと、クレームの手紙を出したお母さんの話。
第4話の「夢の、その先」は、ディズニーランドのそうじの神様に、人生の宝物をもらった人の話。
そうじの仕事なんか、子どもだましの乗り物なんか、そう思っていた人たちが、大きく変わっていく話ばかりです。今では、カストーディアルさんは、多彩なパフォーマンスでゲストを楽しませつつ、パークの清掃や案内をする、ディズニーランドのキャストの中でも、一番の人気職種になっています。
私は、ディズニーランドが大好き!!というわけではありませんが、「夢と魔法の王国をここに作る!」と誇りを持っているあの感じは好きです。
「ゲストを楽しませるために、という純粋な心でほうきを持てば、それは魔法の杖にだってすることができます」と、この本には、書いてあります。
世の中、綺麗事ばかりでは出来てませんが、綺麗なところはやっぱりあります。その綺麗なところを、ほんの少しでも自分が作れたら、いいなぁ。ディズニーランドのキャストじゃなくても、この本を読めば、そんなことが出来ちゃうかも、そう思います
- 感想投稿日 : 2018年2月17日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2018年2月17日
みんなの感想をみる