はやぶさ 不死身の探査機と宇宙研の物語 (幻冬舎新書)

  • 幻冬舎 (2006年11月27日発売)
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成功とは過去の栄光である。自分達の未来を、過去に託すことはできない。何が分かっていないか、を分かっているのがプロなのである。その為の知識である。このことを弁えない知識自慢は、素人の証明である。(69ページ)

前例とは、自身がそこに安住していない、ということの確認のためにこそ必要なのであって、そこに留まってることに安心し、心理的な保証を得る為にあるのではない。(144ページ)

日本人に独創性、創造性が無いなどというのは途方もない。誤解である。誤解の発端は、見事に発達した官僚機構に屈した故である。如何なる新規なアイディアも、「前例と書類」という鋳型に嵌めれば、その新鮮さを失ってしまう。それは全てが新しいのではない。「一歩」が違うだけなのだから。泉の如くアイディアが溢れ、それを実現させるに足る能力を持った人物は、今も何処かに、確実に居るのである。彼等に不足しているのは発想ではない。前例主義に屈しない交渉力と肝力である。(145ページ)

「物作り」は教育になるが、「金扱い」は教育にはならない。金の操縦法を幾ら学んだところで、実は金に操縦されているのである。(284ページ)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年2月8日
読了日 : 2011年2月8日
本棚登録日 : 2010年8月24日

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