ベースボールの夢: アメリカ人は何をはじめたのか (岩波新書 新赤版 1089)

著者 :
  • 岩波書店 (2007年8月21日発売)
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講義の教科書として。
1920年代までのベースボールを扱う。
起源の内外やルールの深化、また、都市・農村、ミドルクラス・それ以外の対比を考察し、
アルバート・スポルディングが主張した「ダブルデー=クーパーズタウン神話」に、「アメリカ人」(白人中産階級やホワイトカラー)にとってのベースボールは農村や男性性の幻影を孕んだ、自国特有の自己投影の場であるという意味づけがなされていることを見出す。
「神話」は疑似イベント(ダニエル・ブーアスティン)となり、今やアメリカ合衆国においてベースボールは市民宗教、民俗宗教、準宗教(quasi-religion)となった。

言及された学者・作家

社会学
ダニエル・ブーアスティン『幻影の時代』
C・ライト・ミルズ
ロバート・H・ウィービ
キャロル・スミス・ローゼンバーグ
リンド夫妻『ミドルタウン』

文学
スコット・フィッツジェラルド『華麗なるギャツビー』
フィリップ・ロス『グレート・アメリカン・ノベル』
ダニエル・ローゼンズウェイグ『レトロ・ボールパーク』
ヘンリー・ソロー『森の生活』
チャールズ・ディケンズ『アメリカ紀行』
エドガー・アラン・ポー
ハリー・シンクレア・ルイス『本町通り』
ウィリアム・D・ハウエルズ『少年の町』
エドガー・L・マスターズ『スプーン・リヴァー・アンソロジー』
シャーウッド・アンダーソン『ワインズバーグ、オハイオ』
ウィリアム・フォークナー
ジェームズ・フェニモア・クーパー『開拓者たち』
ヘミングウェイ『老人と海』

など

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年2月1日
読了日 : 2013年2月1日
本棚登録日 : 2013年2月1日

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