今更ながら手を出しました清澗寺シリーズ。
そして単体なら初読みの和泉さん。
時代物、ファンタジーもの大好きなのに、なぜか手を出して
いなかった有名作ですが、漸く重たい腰をあげて一気読み
してみようかと……。
大正時代の没落家族の長男受でした。
お相手は使用人の息子なんですが、全体的に漂う退廃的な
空気感がなんとも言えません。
幼い頃の約束を後生大事に胸にしまい続けてきた受が、
悲劇の別れから偶然に攻と再会。
でもお相手は社会主義運動に手を染めており、自分は
軍人という立場上、それを見過ごすことはできないという
何とも胸苦しい展開です。
何とか攻を逃がしたいという思いから、同窓の憲兵に
情報を流すようスパイ行動をするのですが、その見返りに
身体を……というお決まりコース。
身を削っての献身もむなしく、攻にも色々と誤解され
こっちでも身体を要求されるという、不憫受です。
結局は色んなすれ違いが生んだ悲しい出来事だったわけ
ですが、色々と鬱屈が溜まっていた受が終盤爆発。
あれほど拘っていた家というものを全て捨てて攻めと
逃避行。
BL的にはおいしい展開なんですが、弟達のその後が
凄く気になる……。
書き下ろしの逃避行編では、何も出来ない受ににやにや。
主従身分差好きにはおすすめです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
和泉桂
- 感想投稿日 : 2014年7月13日
- 読了日 : 2014年7月13日
- 本棚登録日 : 2014年7月13日
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