耽美な極道ものです。
極道の息子がカタギとして生きてくことに憧れつつも、
がっつり極道の血が流れている故に、否が応でもそっちの
世界にひきこまれてくような感じです。
淡い恋と一緒に執着ドロドロ愛も楽しめますが、なんだか
もうごった煮というか、これはラブなのか……?
と首を傾げてしまうような話でした。
極道ものの普通の小説でもいいんじゃない?
というくらいに、専門用語やなんやらが書き連ねられ、
抗争だとか嫉妬だとかの刃傷沙汰で流血。
攻は若頭補佐だとかで何だかすごい切れ者みたいな
書かれ方してますが、色んな意味で人として未熟者です。
個人的には特別な理由もなく、カっとなって受に暴行を
加えたり、言うことを聞かせる為とか、思い通りに
行かないからとか、八つ当たりだとか、とにかくそんな
子供っぽい理由から殴るような攻とか論外で萎えます。
たちの悪いDVものかと勘違いしたほど。
おまけに割と厚めな本にも関わらず、序盤に重要っぽい
登場をしていた余所の組の構成員が、終盤も終盤になって
から実はこうでした~な、とってつけたような展開。
起承転結の【転】が終わって【結】になろうかってところに、
あ、ちょっとまって、もう一度【転】やるから!!
みたいな感じがあって凄い違和感です。
そしてBLという名であるからにはラブが重要ですが、
相手の攻は当て馬の水無月さんの方がいいんじゃない?
というくらいに、なぜ受が攻のことを好きになったかが
伝わってこなくて何だかな、とモヤモヤ……。
口絵が折り返しつくくらい豪華な装丁なので、内容も
そのあたり期待したかったです。
- 感想投稿日 : 2014年5月17日
- 読了日 : 2014年5月17日
- 本棚登録日 : 2014年5月17日
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