漱石の作品のなかで一番のお気に入り。
タイトルの‘コウジン’という音の響きもいい。
主人公の一郎。多知多解、頭脳明晰過ぎて、であるがゆえに妻や親族や周りとの調和が取れない孤独で苦悩深い知識人。彼の姿を同僚のHと弟の二郎の視点で語られる。
一郎の孤絶が読んでいて辛い。実際、似た人を身近に知っているし苦しむ姿を見たことがある。その人は残念だが亡くなってしまった。あの人は「行人」を読んだだろうか、と読後にふと思った。そんな体験があるのでなおさらこの作品が胸に響いてきた。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年12月11日
- 本棚登録日 : 2016年12月11日
みんなの感想をみる