手塚治虫氏の未完絶筆3作品のうちのひとつ。
ゲーテのファウストをベースにして、舞台を戦後の高度経済成長期の日本に置き換えた作品。
ゲーテのファウストのストーリーと手塚治虫がいろいろな作品でテーマにしてきた生命や宇宙、そして執筆当時、体調を崩し、病床でも精力的に筆をとっていた晩年の手塚治虫の様子を織り交ぜると、物語の中に手塚治虫本人の作品に込めようとしていたメッセージ、情報が濃縮されていてとても興味深い作品です。
ゲーテのファウストのあらすじをなぞってこの先物語が進んだのかどうか。そして手塚治虫本人がこの先作品に何を込めようとしていたのか、頭の中で想像を膨らみます。
晩年の手塚治虫自身の考えも作品を通して込められている気がするし、未完に終わったのが惜しい。
読み応えのある作品です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年2月21日
- 読了日 : 2021年2月21日
- 本棚登録日 : 2021年2月21日
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