ネオ・ファウスト(文庫版) (手塚治虫文庫全集)

  • 講談社 (2011年10月12日発売)
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本棚登録 : 150
感想 : 17
5

手塚治虫氏の未完絶筆3作品のうちのひとつ。
ゲーテのファウストをベースにして、舞台を戦後の高度経済成長期の日本に置き換えた作品。

ゲーテのファウストのストーリーと手塚治虫がいろいろな作品でテーマにしてきた生命や宇宙、そして執筆当時、体調を崩し、病床でも精力的に筆をとっていた晩年の手塚治虫の様子を織り交ぜると、物語の中に手塚治虫本人の作品に込めようとしていたメッセージ、情報が濃縮されていてとても興味深い作品です。

ゲーテのファウストのあらすじをなぞってこの先物語が進んだのかどうか。そして手塚治虫本人がこの先作品に何を込めようとしていたのか、頭の中で想像を膨らみます。

晩年の手塚治虫自身の考えも作品を通して込められている気がするし、未完に終わったのが惜しい。
読み応えのある作品です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年2月21日
読了日 : 2021年2月21日
本棚登録日 : 2021年2月21日

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