世界を戦争に導くグローバリズム (集英社新書)

  • 集英社 (2014年9月17日発売)
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今の世界各地で起こっている危機的状態は、アメリカが主導してきたグローバリズムが、経済縮小に伴い崩壊しつつあることによるものだ。近年保っていたリベラルな国際秩序は覇権国家を必要とし、アメリカがその座を守ってきたが、いまその力を失った。E・H・カーは、政治はパワーであり、それは軍事力と経済力と意見支配力で構成されると言う。▼覇権国家が撤退すると、カオスが待ち受ける。ユーゴ、イラクなどがその例。日本はアジアの覇権を狙う中国が仕掛ける覇権戦争に巻き込まれる可能性が非常に高い。尖閣はその象徴で中国にとっては欠かせない。アメリカは今後は撤退主義をとるため安保同盟は期待できず、日本は自主防衛力を高めるか、中国の属国になるか、他に道はない。……筆者の記述は説得力が高い。しかし、未来は過去の繰り返しだけではないはず。他に道はないのだろうか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 政治・経済・社会・ファンド
感想投稿日 : 2016年7月13日
読了日 : 2016年7月13日
本棚登録日 : 2016年7月13日

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