17歳のピンキーは、仲間のボスのカイトの仇討ちに新聞記者のヘイルを殺す。完璧なアリバイ工作をしたつもりだったが、仲間のスパイサーはカードをレストランのテーブルクロスに隠すときの自分の失態に不安を抱く。しかし検死の結果は心臓麻痺。物語は、そこから少年ピンキーを追い詰めてゆく。貧民街から生まれた悪の化身のようなピンキーは、生命の化身にも見える。神と対峙する。文中で「ドナ・ノビス・パチエム(我に平安を与えたまえ)」が何度も繰り返される。彼はもちろん神も天国も信じない。地獄こそ信用できると思う。丸谷才一の訳は簡潔で、三浦雅士の解説は丁寧。物語の意味は良く分からないが、惹き付けられる。それがいかにもグリーンらしい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリー(海外)
- 感想投稿日 : 2013年6月28日
- 読了日 : 2013年6月28日
- 本棚登録日 : 2013年6月28日
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