蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

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本棚登録 : 4468
レビュー : 421
著者 :
のりゆきisgさん 芥川龍之介   読み終わった 

本書の中にある「トロッコ」を再読したくて手に取った。トロッコは、精読の経験が初めて出来た中学1年の国語授業の題材だ。何コマかかけて読み込んだ授業だった。主人公の少年が弟たちと立ち入り禁止の作業現場でトロッコを動かした時の心理、後日作業員に声をかけてトロッコに乗せてもらった時の心理、動かしているうち思いがけず遠くまで運ばれてしまった時の心理、日没近くに不安の中で走って帰った時の心理…。なかでも、行きと帰りで風景が違うことと、その不安の重なりが印象的だった。小説とはこんなにも丁寧に人を描いているのかと驚き、忘れられない授業になった。そしていま再読すると、そこに描かれている心理が、長い人生にもうまくはまることに気づく。大人になっても初めてやることは怖いのだ。この本に収録されている作品は元々は子供向けに書かれた小説ばかりではあるが、大人が読んでも感じることが多い。だから長年読まれ続けるのだろう。

レビュー投稿日
2018年12月12日
読了日
2018年12月16日
本棚登録日
2018年12月6日
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