- 歴史をどう見るか 名編集者が語る日本近現代史
- 粕谷一希
- 藤原書店 / 2012年10月1日発売
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ベースとなったのは講演録のようで、とても読みやすく、トピックにあわせて著者が推す本が語られるので、ちょっとした近現代史のブックガイドの趣もある。ページにコラムのように挟まれる注、巻末の用語、人物の註も充実していて、あまり知識がないという人、うっすらと知識があっても確かめることができる意味でよくつくられた本だと感じた。
2024年6月27日
- 誰が勇者を殺したか (1) (角川スニーカー文庫)
- 駄犬
- KADOKAWA / 2023年9月29日発売
- 本 / 本
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YouTubeで勧められていたのを見て購入。
構成で魅せる物語で、断章ごとに視点人物が変わる構成は、必然なのだろうけど、そのせいか、心まで持って行かれるといった感じはしなかった。
挑戦は見事だし、完成度も高い。
本屋大賞を狙ってほしい。
2023年12月25日
- 核兵器について、本音で話そう (新潮新書)
- 太田昌克
- 新潮社 / 2022年3月17日発売
- 本 / 本
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だめで、危険な議論だと思う(ウクライナ戦争のはじまったあとで読んでいるとなおさらのこと)。だけど、日本のトップにいる人たちがどうしてだめなのかを知るためにも必読の本だと思う。
2022年6月1日
- 大東京ビンボー生活マニュアル+3 (まんがのほし DIGITAL COMIC)
- 前川つかさ
- 興陽館 / 2016年5月6日発売
- 本 / 電子書籍
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おまけでついてきた作品が、ビンボー生活マニュアルにそぐわなくて、どうしてこういうセレクションにしたのか謎だった。
2022年2月8日
- 《英雄》の世紀 ベートーヴェンと近代の創成者たち (講談社学術文庫)
- 樺山紘一
- 講談社 / 2020年12月11日発売
- 本 / 電子書籍
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歴史家が、ベートーヴェンが生きた時代を手際よく整理してみせた1冊。
ベートーヴェン個人よりも、彼が生きた時代の同時代人、国際関係を描く。周りを塗りつぶしていった先に、ベートヴェンが浮かび上がってくる趣向。
文章は、簡明でリーダビリティーにすぐれている。
ベートーヴェンは、音楽も生き方もドラマチックで暑苦しく感じるくらいだが、この本は、そんなベートーヴェンをすこし離れて見守る趣きがあった。
2021年10月16日
- スーパーカブ【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)
- トネ・コーケン
- KADOKAWA / 2017年5月1日発売
- 本 / 電子書籍
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アニメから入りました。いわゆるラノベの文体とは異なっている感じが面白いと思います(好き嫌いの分かれるところかも)。
わたしも自動車免許をとったときに、それまでも通っていた道がまったく違って見えました。その時の感覚はいまも残っています。そうした世界が変わるさまを丁寧に描いている佳作です。
2021年10月16日
- 天下一ファミリー!!ヤマダ (りぼんマスコットコミックス)
- 亜月亮
- 集英社 / 1997年1月1日発売
- 本 / マンガ
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ホラー系でしか知らなかった作家だけど、デビュー時はこんな作風だったのかと新鮮な思い。これでも平成の作品というのも感慨深い。
2020年2月16日
- 寄生獣リバーシ (4) (アフタヌーンKC)
- 太田モアレ
- 講談社 / 2020年2月12日発売
- 本 / マンガ
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本編の市役所戦にむけて、重なる部分が増えてきて、続巻への期待感が増してきた。
2020年2月16日
- 新編忠臣蔵 全20巻
- 吉川英治
- 2015年10月31日発売
- 本 / 電子書籍
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全20巻と帯にあるが、示される読了の目安時間とあわない感じがした。いくらリーダビリティにすぐれた吉川英治でもそれはないだろうと思ったら、章の数のようだ。
青空文庫の書誌を見ると、元は雑誌連載、その回数かもしれない。講談社吉川英治文庫では2巻本。
読むきっかけとなった忠臣蔵映画とは異なり、吉良上野介の人物像も立体的で感心した。
2020年2月6日
- わかる仏教史 (角川ソフィア文庫)
- 宮元啓一
- KADOKAWA / 2017年4月25日発売
- 本 / 本
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社会階層や国家の在り方、ヒンドゥー教やギリシャ思想との交流から仏教の発展が描かれている部分は、仏教の専門家が書いたものとは異なる明解さがあり「わかる」ものになっている。
単行本から10年以上経って、文庫においての改稿もなされているのに、日蓮が殺されそうになった土地が、龍ノ口でなく滝の口となっているのはなぜなのか。(ほかのレビューを見ると親鸞についても疑問が呈されていた)。「わかる本」あるあるなのかもしれないが、日本についての記述は注意が必要かもしれない。
2020年1月25日
- 日本海繁盛記 (岩波新書 208)
- 高田宏
- 岩波書店 / 1992年1月1日発売
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前書きの文章がとても印象的で、テーマより先に良質な文章に出会えた嬉しさを感じた。
これまで読まなかったことを、非常に損をした気分にすらなった。
2018年8月23日
- 一網打尽 警視庁公安部・青山望 (文春文庫)
- 濱嘉之
- 文藝春秋 / 2017年12月5日発売
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ビッグデータという言葉の使い方に違和感が。
2017年12月11日
- ドイツ軍事史 その虚像と実像
- 大木毅
- 作品社 / 2016年3月18日発売
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大モルトケのエピソード。「もっとも、軍人に憧れていたというわけではなく、賭けが苦しくなっていたから士官学校に入るよりほかに教育を受ける道がなかった」「本当は考古学を専攻し、大学教授になりたかったというのが、彼の打ち明け話である」
(p105)というのは、銀英伝のヤン・ウェンリーのエピソードの元ネタなのかと思った。
2017年11月7日
- 花よりも花の如く 16 (花とゆめコミックス)
- 成田美名子
- 白泉社 / 2017年3月3日発売
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P151「帝国軍の将校キャラ」って、銀英伝なのだろうか。
2017年3月20日
- 不屈の棋士 (講談社現代新書)
- 大川慎太郎
- 講談社 / 2016年7月20日発売
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11人の棋士へのインタビューが収録されている。
2016年末から年始にかけてスマホ・カンニング疑惑で揺れた将棋界。出版されたのは事件の前だが、将棋ソフトが人間の棋士を追い越す中でナーバスになっている背景を伺うことができる。
勝ち負け、強さ(レーティング)に収まらない将棋の世界への広がりを感じさせてくれる。事件の対応に失望している人にこそ読んでもらいたいと思える本。
2017年1月25日
- 聖域侵犯 警視庁公安部・青山望 (文春文庫)
- 濱嘉之
- 文藝春秋 / 2016年8月4日発売
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イルミナティとかフリーメーソンとかが出てきて、これはどこまで本当で、どこまでが小説なのか。
元公安マンという筆者の素性を合わせると、いろいろ複雑な心境になれる一冊。
LINEがスパイウェアと名指しで書かれていたりするのも、LINEの会社は本気で対応を考えたほうがいいなと。(アドレス帳を送る機能は、選択できるように修正されているかと思うし、その手の機能を本気で止めるとそもそもスマホもインターネットもほとんど使えないのでは?)
割とテクノロジーで解決的な運びだが、情報セキュリティ系の記述については、誰か専門家がツッコミを入れてほしい。
でもゴルゴ13が好きな人は楽しく読めると思います。
おすすめです。
2017年1月18日