フランス革命: 歴史における劇薬 (岩波ジュニア新書 295)

著者 :
  • 岩波書店 (1997年12月22日発売)
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文句なしで名著。フランス革命について、高校生くらいを想定して著述されている。概説書だが、ポイントを絞って史料を掲載し、当時の人々のナマの声を載せていてくれているのは非常にありがたい。
 ロダンの青銅時代という像に始まり、それで終わる。彼の言葉も興味深い。レ・ミゼラブルも面白そう。フランス革命は歴史における劇薬という表現を使っている。偉大と悲惨。この言葉はパスカルに由来する。劇薬とは情熱のこと。人々の熱情。
 ロベスピエールは、正義を実行をしようとした。恐怖のない徳は無力だと語り恐怖政治にとりつかれてしまった。重要なのは自らが正義だと確信した人ほど過酷な暴力を行使してしまうと言うこと。ナチス後の女性引き回しの写真などから指摘される。
 事件と言うより傾向が歴史を作ることもあり得る。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 世界史
感想投稿日 : 2020年9月2日
本棚登録日 : 2020年9月2日

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