代体 (1) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2018年5月25日発売)
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本棚登録 : 212
感想 : 18
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人の意識を代体と呼ばれる人造人体に移すことができるようになった。ただし、三十日以内に元に戻さなければならない(代体のエネルギーが持たないし、新しい代体に移し換えることは法律で禁止されている)。

この代体技術はもっぱら、重い治療を施す際に患者の意識を一時的に退避させるため、或いは死を待つ患者に健康状態を体験させるために用いられている。

代体技術を悪用すれば、(違法行為だが)永遠の生も不可能ではない。生身の健康な人間を拉致してその意識を消去し(クリーンナップ)、その人体(ブランク)に別の者(例えば生に執着する死期間近の老人)の意識を転送すれば、意識は存続し続けることができる(意識だけで生き続ける人々をクリンガと呼ぶ)。この世万歳を手掛ける地下組織〈ダス・ディング〉は摘発され、消滅したが、十九名のブランクが残され、ラザロ(L)計画が始動したのだった。

SFの面白さ満載の、ワクワクするような展開。ただ、後半やや失速(というかスケールダウン)してしまったかな。人間の"意識"についてもうちょっと哲学チックに深掘りして欲しかったし。何だか惜しい気がする作品だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF・ファンタジー
感想投稿日 : 2021年12月24日
読了日 : 2021年12月24日
本棚登録日 : 2021年12月22日

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