本書は、先の戦争が、ソ連を中心とする共産主義勢力(コミンテルン)の画策によって引き起こされた面が強い、と説いている。コミンテルンは、米国の世論を反日に誘導し、排日運動を起こす一方、日本国内においても反米の気運を高めたとのこと。米国ルーズベルト政権の中枢に入り込んでスパイ活動を行うとともに政策決定に関与し、対日経済制裁に踏み切らせたコミンテルンの力、恐るべし。勿論、コミンテルン勢力の暗躍が先の戦争の原因の全てではないにしても、その原動力の一部を担っていたことは、確かなんだろうなぁ。「ヴェノナ文書」にその証拠もあるというし。
なお、第八章を見ると、現在の民主党政権を、アメリカ共産党の系譜を引き継いだアメリカの破壊者、トランプを偉大なアメリカの復活を狙う保守勢力、と評価しており、全体の論調はやや偏っているように感じる。少し割り引いて考えた方が良いかも。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年10月3日
- 読了日 : 2016年10月3日
- 本棚登録日 : 2016年9月30日
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