宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで (ブルーバックス)

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  • 講談社 (2017年2月15日発売)
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宇宙は誕生して約140億年と言われています。140億年を1年に置き換え、宇宙誕生の瞬間を1月1日午前0時とすると、人類の誕生は12月31日午後11時52分ごろになるという喩えを耳にしたことがある方もおられるでしょう。それだけでも宇宙スケールの時間の大きさに驚きますが、現在の宇宙論では宇宙の寿命がある程度推定されており、それは10の100乗(”0”が100個並ぶほど大きな数)年と見積もることができ、これをまた1年に置き換えると、誕生後約140億年の今は1月1日午前0時0分0.000…4(”0”が77個並ぶほど小さい数)秒だというのです。
本書は宇宙誕生から寿命を終えるまで、宇宙がどのような姿を見せるのかを時間の経過を追って解説しています。それによると、銀河や星雲、恒星が煌びやかに彩る今の変化に富む宇宙は寿命を通じてほんの限られた一時期にしか存在せず、それ以外はもっと一様で変化に乏しい姿だという事です。
永い宇宙の寿命のなかで限られた瞬間に人間が生きているという事ですね。人間の存在の儚さを再認識できる本です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書(自然科学)
感想投稿日 : 2017年3月9日
読了日 : 2017年3月9日
本棚登録日 : 2017年3月9日

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