オーケストラの活動を側面からサポートする様々な役割の人達の仕事ぶりを、指揮者の故岩城宏之氏が紹介するノンフィクション。
本書で取り上げられているのは、ハープやピアノの運送業者さん、コンサートツアーに帯同されるお医者さん、写譜屋さん(”しゃふ”と読みます。本書を読むまで、こういう職業がある事さえ知りませんでした。作曲家の書いた楽譜を各パート毎の楽譜に編集しなおしたりする職業だそうです)、コンサートのチラシを配っている人、ピアノの調律師、といったところです。
聞き取る方が音楽の専門家であるという事もあって”指揮者や演奏家からみた裏方さんの仕事の重要性”だったり、舞台に立っている側だからこそ語れる内容があったりして、クラシックのコンサートに行くときに今まで目に入ってこなかった部分にも「こんな人たちのおかげでコンサートができるんだな」という気持ちになれる1冊でした。
著者の長年の音楽活動で知り得た経験談(海外公演でのエピソードなど)なども盛り込まれていて、ちょっと自慢話っぽく感じる部分も多少ありますが、それも含めてちょっと敷居を高く感じるクラシックコンサートを身近に感じることができる本じゃないかという気がしました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション(社会)
- 感想投稿日 : 2024年2月5日
- 読了日 : 2024年2月5日
- 本棚登録日 : 2024年2月5日
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