会社の品格 (幻冬舎新書)

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レビュー : 55
著者 :
なおきさん  未設定  読み終わった 

会社とは、人々の欲求の実現装置という側面がある。経済合理軸を中心に動く会社と、必ずしも経済合理軸では動かない社会との間では、摩擦やトラブルが起きやすい。会社は不祥事を起こしやすい宿命を背負っていると言える。そこで法令順守や内部統制が必要になるのだが、より重要なのは、ここで述べる会社の品格である。

会社に投資しているのは誰か?金銭だけを見ればそれは株主であるが、時間投資と見れば、社員こそ最大の投資家と言える。時間投資家である社員こそ、会社の品格を見極められる。

売上や利益は、目標ではない。それを声高に言うのは品格がない。売上とは、市場での共感の総量、利益とは市場から与えられた未来である。市場に対するメッセージを社員が共感できているか、社員が金銭報酬以外に共感を持てるかどうかがポイントである。

人間とは「人」の「間」と書く。組織の問題というのは、特定の人の問題というよりも、人と人の間の問題、人間関係、信頼関係の問題である。

成熟した組織が持つ品格を脅かす症状は、顧客視点欠落性、当事者不在者症候群、既決感蔓延症、セクショナリズム横行症である。

上司とは何か?組織が大きくなるにつれ、人と人との間の関係性が複雑になる。たとえば、10人の組織であれば、関係の数は45だが、100人になると4950になる。上司とは、複雑さを縮減させるためのコミュニケーションの結節点である。

品格のある上司の必須条件とは、専門性(すごい)、人間性(すてき)、返報性(ありがたい)、一貫性(ブレない)、厳格性(厳しい)である。

仕事は「外部適応」と「内部統合」の両面から生まれる。仕事の品格を左右するポイントは、納得感、使命感、効力感、普遍性、貢献感、季節感である。

処遇ルールとは、単なる待遇の仕組みではない。重大な社員に向けたメッセージである。辞めにくい会社から辞めやすい会社へ、給与は後払いから即時清算へ。女性活用を唱えるのは品格のなさの表れである。

正解があった社会から、正解を創り出す社会へと日本は変わった。人的資源に投資するスタンスが会社の品格を表す。

品格のある会社を育てるために、社会は何をすべきか?本書の最後のメッセージとして少し説得力に欠けたのだが、財務諸表で会社を評価するのではなく、事業の中身やそこで働く人にもっと光を当てるべきではないか?ということである。会社が情報をオープンにすることにより、社会からの共感を得る消費行動が拡大していくのではないか?


目次
第一章 今、会社の品格が厳しく問われている
第二章 組織の品格
第三章 上司の品格
第四章 仕事の品格
第五章 処遇の品格
第六章 経営者の品格、社員の品格

レビュー投稿日
2018年11月5日
読了日
2009年9月9日
本棚登録日
2018年11月5日
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