トラちゃん 猫とネズミと金魚と小鳥と犬のお話 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (1989年8月18日発売)
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本棚登録 : 893
感想 : 91
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初めて読んだのは15年以上前。
当時、飛び込みの営業職だった私は心身ともにボロボロ。ふら~~っと入った本屋さんでこの本を何気にパラパラ。
群さんの無駄のないすっきりした読みやすい文章と生き生きした動物たちの様子に引き込まれ、そのまま一気に読み切って(もちろんそれを購入しましたよ♪)、ささくれ立っていた心も温かくなりました。

可愛がって世話をしてくれている弟さんだけを認識し、甘えたり、はしゃいだりする金魚のよしこちゃんの話。
喜怒哀楽がわかりやすい甘ったれインコのピーコちゃん。
隣の家の犬なのに、気が付くと群さん家に上がりこんで居間でお座りしているピーター君。
ハツカネズミが増えて大所帯になったときがあったそうですが、ネズミたちそれぞれがちゃんと役割分担をしてキチンとキレイに暮らす話などなど。
「わかるわかる」とうなずいたり、仕草が目に浮かんでつい顔がニヤケたり、そんな事するんだとびっくりしたり、切なくなったり・・・
群さん一家と共に暮らした生き物たちとのエピソードの一つ一つが動物好きにはたまらない内容だと思います。
(動物たちだけでなく、家庭人ではないお父さんも含め群さん一家もユニークです。)

そして立ち読みしていたにも関わらずボタボタと泣いてしまった、初代トラちゃんとの別れ・・・。
淡々と書いてあるのですがトラちゃんの母猫心に今でも読むたびにジンとします。

何度も読み返し、お風呂でもよく読むのですぐにボロボロ。そしてまた買いなおす・・・ということを繰り返し今、手元にあるのは3代目か4代目。
本もずいぶん整理してしまったけれど、ずっと手元に置いておきたい本の中の一冊です。


しかし我が家のお風呂、浸かって10分も経たないうちにお尻から冷えてくるのは是如何に?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2011年10月23日
読了日 : 2011年10月23日
本棚登録日 : 2011年10月23日

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