著者の中二病炸裂…笑
「しびれる」だの「かっこいい!」だの「チキショー!(←野枝がボコられて悔しがっている)」だのが飛び交い、感情が最後まで暴走しただけの印象だった。
こういうのが面白いという人にとってはいいのかもしれないけれど。読みやすいといえば、読みやすいし。
何をもって品があるないを判断するかはある程度は個人に委ねられる部分もあるとは思うが、私にとっては品のない文章で、ダサいと思ってしまった(むしろ著者はそれを狙ってギャグでやってるのかもしれないけど)。
パワーが強く激しいのは良いが、自分と異なる考えの者に対する批判ばかりだと、それってやっぱり自分が敵としている者と同じなんだよな、という印象。
とくに最終目標であるはずの『多様性』を尊重したいのならば、「◯◯は間違ってる!我々のような××こそ正しい!」という主張の仕方はおかしくなる。
例えば野枝や大杉の言う自由恋愛について。間違っているのは、制度や慣習そのものではなく、それを深く考えずに当たり前と思い、捕われてしまうことだ。敵対する本人自身がさんざん考えて、これが良いんだ!と思っているのなら、いいじゃん。そこに文句をつける権利なんて、野枝や大杉、当然この本の著者にだってない。
一方で、いくら”正しい”ことでも、それで相手が傷つくのならば、”間違ってる”のと同じだ。互いに心の底から納得してそれを選んでいるのなら、当事者以外の人類全員が”間違ってる”と思うことでも"正しい"のだ。しかし、だからといってその”正しさ”を自分達以外に押し付ける理由には絶対にならない。
2018.12.25/クリスマスの読書
- 感想投稿日 : 2018年12月25日
- 本棚登録日 : 2018年4月13日
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