役人の生理学 (講談社学術文庫)

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レビュー : 5
猫丸(nyancomaru)さん 大人の小説   読みたい 

祝復刊

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「一九世紀の半ば頃、パリの書店は、「生理学」ものと呼ばれれる小冊子で溢れかえっていました。それは、扱う主題はさまざまで、風刺に満ちた出鱈目を書いたもので、青か黄の表紙がついており、読者を笑わせることを目的とした娯楽本でした。革命後、ジャーナリズムが勃興したフランスで一気にブレイクしました。現代の「スーパー・エッセイ」のたぐいでしょうか。
しかしその観察眼にはなかなか唸らせられます。
冒頭に定義があります。
「役人とは生きるために俸給を必要とし、自分の職場を離れる自由を持たず、書類作り以外なんの能力もない人間」
現在と同じではありませんか!
能なし役人とは「郊外に一戸建てを借りて住んでいる。中背、小太りで、ゆっくりと歩き、官吏であることを誇りにしている。どんな場合でも、体制に奉仕することに心血を注ぎ、政治音痴を自慢にしている。……『ジュルナル・デ・デバ紙』の意見をそのまま採用し、どんな権力であろうと、かならず権力の味方をする。」
この後、産業革命が起こり、金融資本が勢力を拡大してくると、民間企業で働く「サラリーマン」が誕生してくる。役人のようなライフスタイルが市民の間に広がっていくのである。『役人の生理学』で戯画化された人々は、現代のサラリーマンの原型なのです。
役人・会社員というのは、進歩していないことに驚かされます。
大文豪による抱腹絶倒のエッセイです。
付録に、一九世紀の役人文学3篇を追加。 」

筑摩書房
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480032836/

レビュー投稿日
2013年10月10日
本棚登録日
2013年10月10日
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