蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1968年11月19日発売)
3.76
  • (495)
  • (606)
  • (860)
  • (46)
  • (8)
本棚登録 : 6319
感想 : 509
4

 年少者の為に書かれた作品を集めただけあって全体的に読みやすく、『蜘蛛の糸』等一部の作品を除き基本的にハッピーエンドに類する結末のものが多いので肩肘を張らずに気楽に読める。
 一篇一篇が短くすぐ読み終えることが出来る上、これまで多くの人に愛読されてきた芥川作品に対して今更こういう感想を抱くのも滑稽かも知れないけれど、久々に「この話を読んでいる間はオチのネタバレを踏みたくないな」と思えるような、先の展開が非常に気になる話が多かった。
 そんな中での変わり種が『猿蟹合戦』。有名な童話の「その後」を描くことを通し、現代にも通じる社会風刺が展開される中、最後の短い一文が強烈な印象として残った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年12月18日
読了日 : -
本棚登録日 : 2017年12月18日

みんなの感想をみる

ツイートする